『Marty Friedman LIVE 2024「DRAMA Volume 3」〜Plays Piazzolla〜』 ライブレポート

ワールドクラスのギタリストである
マーティ・フリードマン
2024年5月22日には4年ぶりとなる
スタジオアルバム
『ドラマ-軌跡-』をリリースし
6月・8月にはCOTTON CLUB
リリース記念ライブを開催、好評を得た。

そして9月12日に
再度COTTON CLUBにて
ピアニストの曽根麻央
バンドネオン奏者の三浦一馬との
スペシャル・トリオ編成にて
追加アンコール公演
『Marty Friedman LIVE 2024
「DRAMA Volume 3」〜Plays Piazzolla〜』
が開催された。

今回、2公演のうちの 1st.showを
観覧する機会に恵まれたため
ライブレポートをお届けする。

Marty Friedman LIVE 2024「DRAMA Volume 3」〜Plays Piazzolla〜

1. UNDERTOW

品のある会場はすでに満員、
和やかな雰囲気の中
SEと共にマーティ・フリードマンが
手を振りながら登場。
ギターはおなじみのジャクソンの
シグネチャーモデルではなく、
2ハムバッカー仕様で
シルバーのテレキャスター。

曽根麻央のストリングスとともに、
絶妙なオーバードライブで
サステインを効かせつつ
ギターを歌わせ始まった
「UNDERTOW」
(アルバム『Inferno』収録)。

シンセからピアノに切り替わり、
徐々にマーティのプレイも
熱を帯びていき
速いパッセージも増えていく。

随所に速弾きが織り交ぜられ、
速弾きだからこそ表現できる
音もあるのだと改めて感じる
情熱的なギタープレイであった。
演奏が終わり起こる大きな拍手に
手を上げて応えるマーティ。

2. MIRACLE

続いてアルバム
『Wall of Sound』
より「MIRACLE」

イントロのアコースティックギターや
クリーントーンのパートは
ピアノで弾くアレンジだ。
マーティは冒頭
ほぼクリーンに近いクランチで
ダイナミクスを活かしながらプレイ。

曲の展開と共に
ドライブサウンドになっていくが、
編成上大音量ではないにも関わらず
驚くべきサステイン。
手元でギターを
コントロールしきる
テクニックの妙を見せつつ、
白熱のギタープレイと
美しいピアノとの
アンサンブルを聴かせた。
曲が終わると
“ありがとうございます!”
と挨拶し、MCへ。

MC1

“今日は事件的な日、
やったこと無いことを
たくさんやるので
一緒に楽しみましょう!”
と話し、
“ピアノも素晴らしいけど、
めっちゃイケメンでビビる!”
とピアニストの曽根麻央を紹介。

また、このライブのテーマである
アルゼンチンのタンゴ作曲家、
アストル・ピアソラの曲について
“過去にアルゼンチンで
演奏したことはあるが、
日本では初めて”
ということで、
会場からは拍手が沸いた。

3. ILLUMINATION

“ニューアルバムの
『ドラマ-軌跡-』は、
意識していないけど、
ピアソラっぽくなった”
と語り、収録曲の
「ILLUMINATION」へ。

冒頭から独特の“こぶし”を効かせ
叙情的なギタープレイを見せる。
『ドラマ-軌跡-』は、
レコーディング音源では
多彩な音色でギターが録音されており、
ライブではどのように表現するか
とても楽しみにしていたが、
テレキャスター1本を
手のタッチやピッキングで
見事に奏でており、脱帽であった。

4.TEARFUL CONFESSION

続いて、同じく『ドラマ-軌跡-』収録の
「TEARFUL CONFESSION」

ここからはバンドネオンの
三浦一馬も登場、
独特な倍音たっぷりな
バンドネオンの音色で
時には妖しく、
時にはタンゴの風味を効かせ、
楽曲を彩った。

MC2

続くMCでは、
バンドネオンの三浦一馬を紹介し、
“ここからが本編”と
ピアソラについて語る。
ピアソラとの出会いを聞かれた三浦は、

“出会いは小学生で、
子供だったからこそ、
ピアソラは大人の音楽な
感じがしてかっこよかった”

と答えるが、マーティが
“小学生だとピア友はいなかったよね?”
と笑いを誘う。
また、
“バンドネオンは悪魔が作った楽器
と言われるほど難しい。
三浦さんくらいガチな人と
できるのは光栄”と賞賛。

(途中、客席から大きな音がすると、
“ここに来たらみんな
大暴れしますね、ロック魂ですね!”
とフォローする
サービス精神も見せてくれた!)

5. ADIOS NONINO

そして、マーティが
初めて聴いたピアソラの曲、
「ADIOS NONINO (アディオス・ノニーノ)」へ。

イントロからのピアノソロに
マーティも聴き入る。
ここからはマーティも椅子に座り、
アーミングをしているかのような
表現力豊かなプレイを見せる。
リズミカルなバンドネオンとの
アンサンブルも素晴らしい。
イングヴェイを思わせる
クラシカルなギターソロも強烈であった。

6. AVE MARIA

そのまま続けて「AVE MARIA」へ。
クランチに近いトーンで
表情豊かにプレイ、
バンドネオンの倍音が
ストリングスのようにも聴こえた。

MC3

“「ADIOS NONINO」の
ピアノソロが最高過ぎた”
とMCへ。
“COTTON CLUBで
ギターを歪ませるのは僕くらいかな? ”
と会場を笑わせた。

7. LIBERTANGO

日本ではTVのCMで有名になった
ピアソラの曲と紹介し、
「LIBERTANGO (リベルタンゴ)」へ。

強烈なチョーキングからの
ギターソロを聴かせた後、
多くの方に
耳馴染みがあるであろう
バンドネオンのフレーズへ。
メインのメロディはマーティで、
これまた強烈なビブラート。
体を揺らしながらリズムを取っていた。

右手でミュートをかけ
メタル魂を見え隠れさせる
バンドネオンとの
ユニゾンリフも印象的だった。
ピアノやバンドネオンのソロ時は、
マーティもバッキングで支える。
曲が終わると
会場はスタンディングオベーション。
マーティも拍手を煽り、
“最後の曲やりましょう!”
とアンコールに応える。

 8. ESCUALO (ENCORE)

アンコールは「ESCUALO (エスクアロ)」

印象的な
バンドネオンのフレーズから、
ギターとユニゾンし、
そのままマーティのソロへ。
音程差が激しくテクニカルだが
情熱的なソロ。

続くピアノソロでは
三浦がバンドネオンを叩き、
パーカッションのように使う場面も。
マーティはベースラインをなぞり、
ソロをさらにスリリングに聴かせ、
弾き終えた曽根に拍手。

最後の決めフレーズが終わると
会場には大きな拍手が響き渡り、
マーティは深々とお辞儀。
バンドメンバーを指差し讃え、
会場の隅々まで手を振り
ステージを後にした。

セットリスト

1. UNDERTOW
2. MIRACLE
MC1
3. ILLUMINATION
4.TEARFUL CONFESSION
MC2
5. ADIOS NONINO
6. AVE MARIA
MC3
7. LIBERTANGO
ENCORE
8. ESCUALO

アルバム『ドラマ-軌跡-』

日本を愛し、
その心を己の指に乗せて
表現してきた魂のギタリスト
マーティ・フリードマン。
そんな彼がこの度辿り着いた境地は
極限まで研ぎ澄まされた名刀の如く
一音一音を聴く者の心へと
深く染み渡らせる。
さらに、過去30年以上に渡って
繰り返しリリースされてきた楽曲
Triumph」の
オフィシャル・ヴァージョンを収録。
いま聴くべき最上の「音」がここにある。

01. Illumination
02. Song For An Eternal Child
03. Triumph (Official Version)
04. Thrill City
05. Deep End
06. Dead Of Winter(feat. Like a Storm)
07. Mirage
08. A Prayer
09. Acapella
10. Tearful Confession
11. Icicles
12. 2 Rebeldes (Spanish Vocal) (feat.APOLO 7)

◇MARQUEE AVALON LABEL
◇MICP11880
◇2024年5月22日
◇3,190円(国内盤)

Marty Fan.com
ギタリスト マーティ・フリードマンの公式ウェブサイトです。

(文・ライブ写真:安部悠星)

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