2020年の初舞台以来、
絶えず舞台に立ち続けている女優、田口華。
さくら学院でのアイドル時代や、
昭和歌謡曲レビューショー、虎姫一座での経験を経て、
新しいステージを駆け上がり続けている。
今回の記事では、
さくら学院時代から活動を追っており、
現役ミュージシャンでもある
『バディットマガジン』の中の人、
futatsuboshi noteの悠星・陽星が、
田口華へ直撃インタビュー。
舞台の世界へ進んだきっかけや、
なかなか知れない素朴な疑問、
次回のミュージカルへかける思いなど、
ステージに立つ側の視点から
お話を伺うことができた。
明るく思いやりのあるお人柄、
一歩一歩を大事に踏みしめる姿勢に、
出演オファーが絶えない理由がわかった気がする。
1万字に及ぶ大ボリュームとなったインタビュー、
是非ご覧ください!
田口華
同年「ちゃおガール」オーデションで準グランプリを受賞する。
2011年にアイドルグループ「さくら学院」に加入し2015年まで4年間メンバーとし活動。
さくら学院から派生したユニットでも活躍する。
2015年にグループを卒業すると同時に、浅草のアミューズカフェシアターを拠点とし昭和歌謡曲のリバイバルをコンセプトとする「虎姫一座」のメンバーとしてステージに立つ。
2019年にユニットの活動が休止になるまで活動。
その後、舞台を中心に活躍中。
インタビュー
役が決まっても無くなったのが6本ぐらいあって。
これまでのキャリアや自己紹介をお願いいたします!
こういうのが1番難しい(笑)。
お仕事を始めたのは小学校3年生、8歳頃ですね。
お仕事は都内近郊が多いのですが、その頃は遠方に住んでいたので…。
同じオーディションで入ったのが(野津)友那乃で。
でも友那乃は東京の子だったので、一緒に受かったけど、友那乃だけ仕事に呼ばれるみたいなことが多くて、私も東京に出たいなと思ってるタイミングで、さくら学院のオーディションを受けました。
なので、8歳から11歳くらいまでは読者モデルをして、小学校6年生から中学校3年生までさくら学院でアイドル活動をしていました。
そして中学校3年生でさくら学院を卒業した次の日から、虎姫一座という昭和歌謡曲のレビューショーをするグループに入りました。
毎日ロングラン公演を4年半くらい、19歳までやり、そのあと20歳から舞台に出たり、事務所も変わったり、今の活動を始めました。なのでお芝居は割と最近ですね。
(さくら学院を)卒業した翌日から虎姫一座だったのですね!
はい(笑)。さくら学院が3月いっぱいまでの活動で、虎姫一座が4月1日からだったので、もう次の日から虎姫一座になりました(笑)。
へえぇぇー!!
そうなんですよ(笑)。
本格的に舞台の活動を始めたのはいつ頃になりますか?
初舞台は2020年の12月です。その少し前からお芝居のワークショップに行ったり勉強をし始めて、オーディションを受けたり、舞台に出たいと思って動いてたんですけど、コロナのタイミングだったので、役が決まっても無くなるっていうのが6本ぐらいあって。
やっと出られたのが2020年の12月でしたね。
その無くなってしまったものも、オーディションで勝ち取ったものでしたか?
そうです。全部無くなっちゃったんですよ。
なのでやっと念願の舞台だったんです。それがありがたいことに主演で出させていただいたので。
その前にも主演ではない役が決まっていた舞台もあったんですけど、ご褒美みたいな気持ちで嬉しいなと思って。
それは何という舞台でしたか?
「レディ・ア・ゴーゴー!!2020」という毎年12月頃にやっているガールズの舞台があって。
前年に、私立恵比寿中学の元メンバーの瑞季ちゃんが私と同じ役をやっていて。
舞台をやりたいと思ったものの、まだどんなものか全然わかっていなかったんですけど、知ってる方だなと思って。
衣装もすごく可愛くて、私もやりたいなって思ったのがきっかけでそのオーディションを受けました。
そういう舞台に出られたというのがすごいです。
めっちゃ強気で、オーディションの用紙に“主演がやりたいです”って書いて(笑)。
もう念願でしたね。嬉しかったです。
特定の役ではなく、出演する人を決めるためのオーディションだったのですか?
そうなんです。なので何の役になるかわからないままオーディションを受けました。
オーディションは、見てる側の方たちが、“この役に合うだろうな”みたいな感じで役を割り振ることが多いですね。
オーディションは大人が大勢並んで座っていて、見られるような感じなのですか?
ものにもよりますが、大人がばーって大勢いることもあります(笑)。
そういう時は結構緊張します。
ちゃんと台本を覚えていっても、全部ぱんって飛んでなくなります(笑)。
そういう時はどうされるんですか(笑)?
いや〜、もう震えながら(笑)。
何年やってても余裕で緊張しますね(笑)。
本番の方が逆に緊張しないですよね。
わかります…!
オーディションとかリハーサルとか、スタッフさんしか見てない舞台の通しとかが1番緊張します。
お客様の方が優しいです(笑)。
素朴な質問にはなりますが、お芝居とミュージカルってどのような違いがありますか?
お芝居だけですと、シリアスなストーリーが多い気がします。
ミュージカルだと歌と踊りがあるのと、作風もエンタメ、ファンタジー寄りなものが多いかなって思います。
大きな違いは、歌と踊りがあるかないかですけど、ミュージカルの方が衣装が普段着っぽくなかったり、リアルよりファンタジー寄りですね。
普通のお芝居は歌ったりはしないのですか?
全くないですね。ただ会話だけで。大きな劇場だと歌ありが多いですね。
小劇場とか中型の劇場では、会話劇が多くて、ミュージカルをやることは少ないです。
最近ご出演されていたのはどの規模の舞台でしたか?
中型と言われてる200〜300人の会場ですね。
ミュージカルが続いています。
ミュージカルではマイクを付けるものですか?
ミュージカルの時は付けるんですよ!歌がある時は。
頑張れば地声で聞こえるくらいの広さでも、マイクを付けることがあってびっくりする時もありますけどね。
まさにさくら学院や虎姫一座の時につけてたみたいなヘッドセットでやるんですよ。
ちょっと気分が上がります(笑)。
ヘッドセットはどういう仕組みなのですか?ワイヤレスでトランスミッターを腰あたりに付けるみたいな感じでしょうか?
そう。腰あたりにトランスミッターをつけるんです。
踊ったりすると落ちちゃうので巻いてます。
巻いてるんですね!あと、ずっと口元にマイクがあると、むせちゃう時はどうするんだろうってずっと疑問で(笑)。
ゲホってやりたい時とかあるじゃないですか(笑)。
あるあるです(笑)。いや、もう我慢するしか(笑)。
私は幸いなったことないですけど、舞台は1回しかないから仕方ないですね。
ハプニングだと思って楽しんでもらうしかない(笑)。
モヤモヤが晴れました(笑)。
全然あるということで(笑)。
ミュージカル以外の舞台は地声なのですね。
そうです。
どれだけ会場が大きくても?
帝国劇場などの大きい劇場以外ではマイクは付けないんじゃないですかね。
基本、300人くらいまでは地声で。
ステージの床などからマイクで拾うことはありますか?
小劇場では置いてない時もあるんですけど、300人くらいの時は、マイクが下に置いてあったり上から吊るしてあったりする場合もあります。
最近声が出せるようになったのもあるんですけど、最初は結構苦労しましたね。
お芝居用の発声練習をされたりはするのですか?
最初の2020年12月から、止まることなくずっと舞台に出させてもらってるので、実践しながら“なんかわかってきたぞ”っていうのがあるんです。
最初はめっちゃ怒られてました(笑)。声が小さくて。
なんで泣けるの?
最近ご出演されたのがミュージカル『モンブラン~黄昏のROUTE69~』のアユミ役。どういったお話でしたか?
これはもう終わってるからネタバレしてもいいですよね(笑)。
天国にある喫茶店のお話なんですけど、ただの喫茶店の話かと思いきや、そこには亡くなった方たちが来ていた、という。
その方たちのお話を聞いて成仏させるのを、アルバイトの子と店長がやるんです。
そこのアルバイトのアユミという役です。天使の見習いで、店長は天使です。
衣装は天使っぽい感じでしたか?
衣装はウェイトレスですね。そこに“劇団モンブラン”という方たちがいて、その喫茶店で歌と踊りのお芝居を観られるんです。
虎姫一座の時のアミューズカフェシアターみたいだなと思ってテンションが上がっていたのと、実際にその時のお客様が結構来てくださって、懐かしんでいただけました。
劇中の歌と踊りのお芝居にも出演される役でしたか?
劇中劇は見守っていました。私が演じたアユミは、すごく元気で活発な子なんですけど、あまり自分の気持ちを言わないんです。
でも実は一緒に働いてる店長のことが好きっていう設定があって。でもその店長には別の好きな子がいて。
あぁ…それは辛い。
アユミはそれを知って、自分の思いを伝えられずに、クライマックスで大号泣シーンがあり、感情の波がすごく激しい役でした。
舞台でしくしく泣くことはよくありますが、わって声を上げて泣くことってあんまりないので。
アユミはめっちゃ大号泣で、曲がかかってる中すごく大きい声で泣くみたいな。なんか気持ちが良かったです(笑)。
お芝居でもあまりやることはないし、自分で生きていても大きい声をあげて泣いた事は無いので、新鮮で楽しい経験をしました。
もうガチ泣きですか?
ガチ泣きです!
感情が入ると自然に泣けてくるものですか?
そうなんですよ。いけるものなんです。
私、舞台上で泣くことにあまり苦労したことがなくて、めっちゃ涙出てくるタイプの人間で結構ビビられます(笑)。
周りの人に“なんで毎回めちゃくちゃ泣けるの?よく枯れないね”って。
稽古中から泣けるのですか?
そうです。毎稽古、泣かなかった事は無いです。
おぉ〜!!
不思議なんですけどめちゃめちゃ泣きますね。なぜか涙めっちゃ出るんですよ。
普段泣かないからそこで発散してる気持ちになります(笑)。
“この人すごかったな”って覚えてる方ばかり
そして次回出演されるヒーロー青春活劇ミュージカル 『イリクラ~Iridescent Clouds~2025』ではピンク役ですね。
レッド、ピンク、グリーン、イエロー、ブルーでみんなお名前がなくて、ピンク役なんです。
デパートの屋上のヒーローショーのお話で、めっちゃ長くて超大作なんです。
本編も長めで休憩ありで3時間ぐらいあるんです!私は休憩がある舞台は初めてです。
気づくとすごく大きな事件に巻き込まれていて、そこに立ち向かっていくお話ですね。
ミュージカルなので曲も20曲くらいあって。その20曲が全部何かの曲のパロディで、ミュージカル好きな人にはめちゃくちゃ楽しいんじゃないかなと。
振り付けもオマージュされてるのですか?
このミュージカル用に振り付けの方がいてくださって、歌いながら踊るので、歌いやすい振りになっています。
殺陣があったり、アクションがあったりして。ヒーローなので戦います!!
今まで戦う役の経験はありましたか?
舞台で殺陣をやったのは1回しかなくて。
刀を持った役をされていましたよね。
それです(『贋作夜想曲』ノワル役)。去年の6月で、その役では超戦いました!でも初めての殺陣だったんです。
その子が無口な役なんですけど、殺しの達人みたいな感じだったので、出てきてセリフを言う前にまず戦うという(笑)。
最近はアクションや殺陣を勉強し始めているところです。今まさに勉強中なので、ちょっとでもヒーローに活かせると良いなと。空手少女という設定があって。
役作りで空手を習ったりするのですか?
空手というか、アクションの動きを習ったりする感じですね。
ダンスをされている方は体の使い方がわかっていると思うので、格闘技的な動きもできたりするものですか?
全くダンスをやった事がない状態で初めて殺陣とかアクションをやるよりは、踊れた方が良いのはあるかもしれないです。
“まだあまりアクションとかはやったことないんですけど”って言うと、“ダンスやってるから多分大丈夫だよ”と言われるので、もしかしたらあるのかもしれないですね。
でも早く習得したいです。舞台は殺陣が出来たら幅が広がると思うので。
「イリクラ2025」の推しポイントは?
これまでミュージカルに出たのはまだ2本なんですけど、それは歌がメインで、私が歌って周りにダンサーさんがいてくれる形式だったんです。
今回もダンサーさんはいるんですけど、自分も踊るし歌うっていう、どっちもできるのが実は結構珍しくて。
たまにファンミーティングをやっていて、歌だけの時はあるんですけど、踊りながら歌うのって意外とないなと思って。
さくら学院のや虎姫一座の活動を見ていてくれた方に、ぜひ観ていただけたら嬉しいなと思っています。
もう稽古が始まってると思うんですが、仕上がり具合や雰囲気はいかがですか?
めっちゃ順調だと思います!曲が20曲あるので、最初に歌唱と振り付けの稽古から入るんですよ。
それで3日前くらいからお芝居の稽古が始まったんですけど、4日目でもう一幕の1時間半ぶんが出来上がりました!
もう観せられるぐらいに?
そう!めっちゃ早くて。この作品はもう10年間やられていて、すごい歴史がある作品なんです。
演出の方もこうしたいっていう理想があるので、それもあってすごい早いのかなと思うんですけど、みんなが演出の方のこうしたいよっていうのに当てはめていく作業をして。
でも今までで1番早いです。4日で半分が出来上がるなんて。
まだ1ヶ月前くらい(インタビュー時)なのに…!
そうなんですよ。歌うものをやるとみんな仲良くなるのが早いので。
普通の会話劇よりも、全体で終わった後に、“この曲とこの曲を練習して帰ろう”ってなったり、コミュニケーションを取れたり。
その曲に出る人だけ残ったり、少人数で残ったりすると、そこがぎゅっと仲良くなるので、とてもいい雰囲気で稽古が進んでいます。
それだけ仕上がるのが早いということは、共演の方も実力のある方が多いですよね?
そうですね。今回の出演者は年上の方が多めなんですけど、共演したことがある方もいて。
過去の舞台で“この人すごかったな”って覚えてる方が集まっていて。
まだ共演したことがない方も、お名前は知ってる方ばかりで。
実力のある方たちが集まっているので、良い作品になると思っています。
楽しみです。チケットはもう売っていますよね?
はい!ミュージカルは楽しいですよ!
普通に喋るセリフもあるのですか?
普通に喋るセリフもあります。
曲が挟まってくる感じですね。
でも20曲なんで結構なスパンで歌います(笑)。
今まで出た中でも結構な曲数かもしれないです。
観てる方には絶対楽しんでいただけると思います!
そして次のご出演も決まってるんですよね。
(超次元ミュージカル「ネプテューヌ」Re:BOOT!! ノワール役)
前に別のキャストの方々でやられてるものを再演するんですけど、いわゆる2.5(次元)と言われるものですね。
マンガやアニメで原作があるものの舞台化したものです。
「セーラームーン」とか、「テニスの王子様」とか。
今めっちゃ流行ってる“テンゴ”です!
「ネプテューヌ」の原作はアニメなのでしょうか?
原作はゲームで、かなりファンがいらっしゃいますね。
劇場は今までも何度か出演したことのある品川の六行会ホールです。
テンゴは初ですか?
1度だけあります。堀内まり菜ちゃんが主演で、「宇宙よりも遠い場所」っていうアニメの舞台化をやって、私はまり菜ちゃんの親友の役(高橋めぐみ役)だったんです。それはミュージカルではなく会話劇で、学生のお話でした。
「ネプテューヌ」は衣装とかビジュアルもゴリゴリで、もういかにも“テンゴ(2.5次元)だ”って感じなんですけど、もともとそういう派手な舞台に出たくて始めたので、やっとだなと思って、楽しみにしています。
念願のテンゴ、楽しみですね!これも役はオーディションで?
1本目の舞台はオーディションで取ったんですけど、ありがたいことに、最初の舞台から派生して、見てくださっていたプロデューサーさんや演出の方から、舞台に出てほしいとオファーをいただくのが、最近はずっと繋がって続いていて。
前に私と同じノワール役をされていた、石井陽菜ちゃんという、舞台界では超有名でお芝居がすごく素敵な女優さんと、以前舞台で共演していて。
で、「ネプテューヌ」で、キャストを全部変えたいというお話があった時に、陽菜ちゃんがプロデューサーさんに私を推薦してくれたそうで。
そうやってご縁があってずっと繋がってるので、1個1個大事にやっていきたいなと思っています。ありがた過ぎます。
女の子の2.5で、今1番人気のコンテンツが「アサルトリリィ」で、その作品で主演をされているのが石井陽菜ちゃんなので、私からしたらとてもすごい人なんです。
私自身もそういうところを目指したいという気持ちがあるので、第1歩だと思って頑張ります!
別の自分というか、夢の中みたいな感じ
舞台はセリフが多いと思うんですが、台本って実際、どのくらいの量になりますか?
作品にもよりますが、台本は少なくて60ページくらいから、長くて100ページちょっとくらいな感じなんですけど、ページ数ではあんまりイメージわかないですよね?
セリフはぎちぎちに書いてあるものですか?
ぎちぎちです(笑)。最近で長かったのは、110ページ近くあった野球少女のお話(『あの空はキミの中〜Play ball, never cry!〜』主演/陽向役 )で、そのうちの100ページくらいは出ていて、さらに野球もやって、とんでもない物量でした。
その量はどうやって覚えるのですか…?
なぜかわからないけど、覚えられるんですよ(笑)。
でも最初から覚えられたかというと、そんなこともなくて。
初舞台の時は、稽古に行く前はずっと台本とにらめっこでした。
やっぱり緊張があって縮こまっちゃって、すごい頑張らないと覚えられなかったんですけど、お芝居が楽しいなって思うにつれて、覚えるスピードも早くなっていって。
不思議なんですけど。最近は稽古をやりますよってなったら台本は持たないようにしています。
やっぱり台本を持って稽古するのと違い、持たずに人の目を見て喋れる状態だと、スタートがめっちゃ変わるので。最近はそれができるようになりました。
緊張よりお芝居が楽しいなって思う気持ちが大きくなっていったので。
お芝居が好きなんだと思います。好きだから勝手に覚えられるようになってきました。
でも最初の頃はもうテスト勉強みたいな感じで覚えてました(笑)。
書いて覚えたりもされていましたか?
していました。声に出して読んだものを録音して聞いたりも。
あとは家やカフェ、散歩しながらとか、場所を変えて読んだりしてました。
今は基本的に家で覚えて、あとは稽古場に行って、いざ立ってみると余計に覚えられるんです。
景色とかで。なので、あまり台本を見返すことをしなくなりました。
舞台を作る上で段階はあるのですか?例えば最初はみんなで机に座ってセリフだけ、など。
最初は大抵そういう感じです。
顔合わせの日があって、自己紹介をして、制作さんからこういう舞台ですよっていう説明があって。
“本読み”と言って、座ってセリフを読むだけの日があります。
最初の日からいきなり泣けますか?
私は泣くタイプなんですけど、本読みでそこまでやるのって…という気持ちもちょっとあります(笑)。
でも逆に泣いてるフリの方が恥ずかしくて。なので初日からもう泣く(笑)。
でも、人それぞれです。今日は本読みだから声だけだよっていう方もいますし、それぞれのスタイルがありますね。
田口さんはもう初日からガチでいくスタイルなんですね(笑)。
そうやらないとできないってだけなんですけどね(笑)。
役にはなりきるというか、自然に入り込む感じですか?
それとも、頭の片隅で俯瞰して見ている自分がいるとか…。
“憑依型”とか言いますもんね。私は役になろうとするっていうよりは、まず自分に役を寄せたり、自分だったらこうだな、というところから始めます。
稽古をしていく中で、他の役者さんがこういう感じだったら、じゃあこうしようかなとか、演出の方からこうしてほしいというオーダーがあれば、それに合わせて変えていきます。
稽古をしていく過程でその役になっていくイメージです。でも泣こうと思って泣いてるかというと、そんなことはなくて。
お芝居している時だけ別の自分みたいな感覚というか、夢の中みたいな感じです。
説明するのは難しいんですけど、夢の中の自分を俯瞰して見てるような感覚っていうんですかね、“こう動こう“っていう意思があるかっていうと、そんなこともなくて。
勝手に動く感情をうまく使いつつも、お客様を想定して、どう見えているのかは考えます。
でもそれは動画を撮って後で確認することが多いです。
通しの動画を見直して、“こう思ってるけどそう見えてないな”とか、“こうしてるつもりだけど違う風に伝わってるな”っていうのを後で直すことが多いです。
そういった表現は、オーバーにやらないと伝わらないなどはありますか?
あると思います。映像だと表情がはっきり見えたり、観客に見せたいところを切り抜いてくれるので、わかりやすいですよね。
でも舞台の場合は、舞台上に10人とか立っていると、目線がめっちゃ散らばるので。
“今これを伝えたいけどそんなに伝わってないな”とか、“今はあちらの見せ場だから、動くとこっちに注目されちゃうな”とかもあるので。
オーバーの加減も難しいですが、舞台では映像より大きくやらないと伝わらないなっていうのはありますね。
もともと普段から超元気だったり、感情に波があるようなタイプではないので、舞台に出る時はそういう意識をするようにしています。
共演の方がたくさんいるじゃないですか。そして、普段のその人を知っていると思うんですが、舞台に出るとその人はどういう風に見えますか?
例えば共演のAさんがいたら、“Aさんがその役の演技をしている”ように見えるのか、それとも“その役のキャラ”として見えているのか。
“この人がこの役をやっている”というよりは、もう“そのキャラがいる”みたいに見えています。
私は皆さまのことをわかってますよ〜(笑)
客席は演じながら見えていますか?
ものによりますね。ミュージカルで歌う時は結構前を向くので、その時に皆さまのことが見えたりはします!
ではその時は、“あの人いるな”とかはわかるのですか?
そう、わかります!シリアスな会話劇とかだと、最後の挨拶まで誰がいらっしゃるかわからないことが多いんですけど、ミュージカルとかで歌う時は結構前を見るので。
今回は3時間もありますし!
そうです。たっぷり皆さまのことが見れます。20曲あるので(笑)。
アイドル時代ばりにその方に向けて視線を送ったりとかはありますか?
あります!劇中なのであからさまに手を振ったりはしないですけど、めちゃくちゃ見えてるので。
さくら学院の活動もありましたけど、その後の虎姫一座がショーレストランだったので、接客があって、もう皆さまのこと超認知してるので分かるんですよ。
なのでかなり、かなり、私は皆さまのことをわかってますよ〜(笑)。
嬉しい…!
めっちゃ見ます。めっちゃ覚えてるので。でもなんか特権だなって思います。
正直さくら学院だけやっていたら、他のアイドルさんより接触が少ないので、わからないまま終わってたかもしれないのに、虎姫一座によって、“あの時の!”とか、“あの時あれくれた!”という会話ができて、めっちゃ認知です。
皆さまの誕生日までわかるくらいです!
まじですか!!
虎姫一座のメニューで、誕生日をお祝いするプレートがあったんです。
4年ぐらいやってると、4回お誕生日のお祝いをする方もいらっしゃったので!めちゃくちゃ皆さまのことはわかりますね。
舞台はやっぱり直接足を運んでくれるお客様によってできるものなので、ありがたいなって思います。
皆さまと近かったのは自分にとってすごく特権だなって思ってます。いい活動でした。
今後の目標や目指すところは?
「セーラームーン」のミュージカルに出たいというのがきっかけで始めたんですけど、実はもともとお芝居は嫌いだったので。
嫌いだったんですか!
めっちゃ大嫌いで。だからさくら学院を卒業してもやらなかったんですよ。
みんなそれぞれの道に進まれて、結構女優志望の子が多かったんですけど、私はお芝居をやりたくなかったから絶対に女優さんになりたいとは言わなくて。
やっぱり歌と踊りを続けたいなっていう思いで虎姫一座に入ったんです。
っていうくらい私、お芝居が嫌いだったので。
きっかけは「セーラームーン」に憧れたことでしたが、こんなにもお芝居が楽しいと思える日が来るとは思っていなかったです。
最近は主演とかヒロインで出させてもらうことが続いていて、昔は嫌いだったものをこんなにも楽しいと思えていて、舞台の真ん中に立たせていただけるなんて、ほんとにありがたいことだなって思っています。
好きなお芝居と歌と踊りが入ってるミュージカルと、あと私、子供が好きで。
なのでディズニー作品とか、小さい子が観にくるようなファミリーミュージカルに出たいなっていうのが目標です。好きなものを合体させて。
これから繋がってくといいですね。
はい。歌のお姉さんとかもいつかやれたらいいなと思っています。
歌のお姉さんにいそうです。
好きなものじゃないと続かないので。
今後の出演
ヒーロー青春活劇ミュージカル 『イリクラ~Iridescent Clouds~2025』
ヒーロー×青春×ミュージカルの新感覚エンターテインメントが開幕!
舞台は、ヒーローショーのバイトに集められた若者たち。
エネルギッシュなダンスと胸を打つ楽曲、そして個性豊かなキャスト陣が、疾走感ある青春群像を鮮やかに描き出す。
田口華は真面目で責任感ある“ピンク”役で登場!
脚本:柴原麻里子
楽曲:小林成宇
振付:半田佳子
演出:カガミ想馬
◇公演期間◇
2025年8月15日(金)〜9日(火)
チケットはこちら!
SOLD OUT、売り切れ間近が続出、お早めに!
超次元ミュージカル「ネプテューヌ」Re:BOOT!!
ファン待望の再演、超次元ゲイム『ネプテューヌ』のミュージカルが、全く新たなキャストによって上演されます。
ネプテューヌをはじめ女神たちが“音楽を奪われた世界”に挑む異空間ファンタジー。
田口華はノワール役で登場!
脚本・演出:久保田唱(企画演劇集団ボクラ団義)
◇公演期間◇
10月1日(水)~5日(日)
◇会場◇
六行会ホール
チケットはこちら!
インタビューはまだまだ続く・・・
大充実のインタビュー、いかがでしたか?
すでに大ボリュームの内容でしたが、
じつは・・・
まだこれ前編なんです!
さくら学院の父兄さん大歓喜であろう
後編を含めた全編の
ロングインタビューは、
近日サブスク電子マガジン、
『バディットマガジン電子ばん!』
にて掲載いたします!
『バディットマガジン電子ばん!』詳細はこちら

※『バディットマガジン電子ばん!』は、
今なら月額100円!
バックナンバーも読み放題です!
ここでしか見られない内容は…
○田口華、久しぶりにプロレスを語る。
○“どこでもやる。” “延々とやる。”
即完売で密かに話題、あみもの。
○さくら学院を振り返る。
・どんなレッスンをしてた?
・1番最初に踊った曲は?
・あんなに全部できる子はなかなかいない。
・今一番会うメンバー。
・憧れの人。
などなど、他にも盛りだくさんな内容を、
写真をふんだんに使った
誌面デザインにてお届けします!
乞うご期待!!!
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