吾妻光良 & The Swinging Boppers|「45周年を祝う特別な夜」2026.01.11 @LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)ライブレポート

Photo by 田辺龍一郎 Ryuichiro Tanabe

CLUB QUATTRO presents 吾妻光良 & The Swinging Boppers 45th Anniversary “SPECIAL BANQUET“ @LINE CUBE SHIBUYA(渋⾕公会堂)

2026年1月11日、吾妻光良 & The Swinging Boppersが45周年記念のライブをLINE CUBE SHIBUYAにて開催!
会場の客席はすでに満員で、待ちきれない熱気とざわめきが広がっていた。
ステージにはグランドピアノ、アンプ、そしてホーンセクションのための広いスペースがあり、黒を基調としたシックなつくり。

予想外の幕開け

開始を告げるブザーが鳴ると、待ってましたとばかりに大きな拍手が起こる。
アルトサックスの渡辺康蔵によるナレーションが流れ、期待感が増す。

吾妻以外のメンバーがステージへ現れ最初に鳴らされたのは「THINGS AIN’T WHAT THEY USED TO BE」。
リズム、ピアノ、ホーンが心地よく絡み合い、ホーンセクションからピアノへ、次々とソロを回す。
照明が動くと、客席後方からギターを弾きながら吾妻光良が登場する。
ステージにはすでにギターが置いてあっただけに、この登場は完全に予想外だった。
ソロを弾きながら席を抜け、ステージへ上がる。
その一連の動きだけで、会場の空気が一気に温まった。

Photo by 田辺龍一郎 Ryuichiro Tanabe

続く「最後まで楽しもう」。
吾妻は指弾きでギターを鳴らしながら歌う。
箱モノギターのトーンがとにかく絶品で、ノリのいいビートに合わせて、手拍子が自然に広がっていく。

極楽パパ」では、指でダイナミズムなリフを刻む。
この曲を聴いていると、日頃の疲れや細かいことも、いい意味でどうでもよくなる。
照明はショーステージのように華やか。

MCでは、“ギターの音が出ない”、と会場は笑いに包まれる。
次の曲のフリの練習を始めると、大きな手拍子が起こり吾妻も大喜び。
その姿に、客席もつられてさらに盛り上がる。

正月はワンダフル・タイム」。
ギターを横にしたり、思いきったプレイで凄まじいソロを聴かせる。
柏手もぴたりときまり、まさにショーの真ん中にいる感覚だ。

ここで語られるブルース談義も、吾妻節が全開になる。
“私の世代は、ブルースを聴かなければ人間じゃないと言われてたんですよ(笑)。
ブルースで多いのは愛の歌、次が酒の歌。
年賀状には、大人はワイン二本まで、って書かれてた(笑)”

そのまま「大人はワイン二本まで」へ。
“大人はワイン二本まで”。
このフレーズが耳に残らないわけがない。
サックスソロはごきげんで、ギターのトーンは相変わらず文句のつけようがない。

Photo by 田辺龍一郎 Ryuichiro Tanabe

圧巻のゲストステージ

ここからはお楽しみタイム。
ゲストとして藤井康一が呼び込まれ、「CHERRY RED BLUES」。
ビリビリくるサックスを皮切りに、ホーンセクションが加わった瞬間のアンサンブルは圧巻だった。

続いて登場したのはLeyona
鮮やかなピンク色の衣装で現れ、「L-O-V-E」を披露する。
深く豊かなボーカルに、キレのあるギターバッキング。
ゲストが去ったあと、吾妻が“喪失感がすごい(笑)”とこぼすのも、なんだか本音っぽい。

初夢でLeyonaの曲を間違えまくった、という話をしながら、「小学校のあの娘」へ。
こういう脱線と着地の仕方も、吾妻らしい。

俺の家は会社」は1990年に書いた曲。
定年で仕事をやめたことを“プロ入りした”と表現するユーモア。
コロナ禍では“テレワーク”に歌詞を変えていたという話も添えられる。
声と同時にギターソロを弾くその姿は、やはり圧巻だ。

Photo by 山本佳代子 Kayoko Yamamoto

やっぱり肉を食おう」では、医者から痛風になるから肉を食うな、薬を飲めと言われたというエピソードが語られる。
歌詞のユーモアと、ギタープレイのキレのギャップがなんとも楽しい。

続いて「昼寝のラプソディ」。
“私はウチに38台ギターを持ってますが、自分がチキン野郎だと思ったのは、今日一番高いギター2本を持ってきたこと(笑)。
退職して驚いたのは、昼飯を食うとすぐに寝ちゃうこと。”
そんな話をしながら、ゆったりとしたバラードを聴かせる。
サックスソロもスローでムーディだ。
途中、トランペットの名取茂夫による語りが入り、会場がざわつくのも含めて、妙にリアルな時間が流れる。

Photo by 山本佳代子 Kayoko Yamamoto

MCでは、“30〜40年代のR&Bバンド、インク・スポッツは必ず語る”と答え合わせをしつつ、“杉並のハトは歌うように鳴く、通常は4拍子で鳴くが変種がいた”という話まで飛び出し、どこに着地するのかわからないのに、なぜか耳を傾けて聞いてしまう。

OLD FASHIONED LOVE」は、19世紀生まれのJames P. Johnsonが書いた曲。
スウィープを含む高度なギターソロに、ドラムのキックとベースの低音がずっしりと響く。

ここから再びゲストタイム。
松竹谷清を迎えた「You Brought a New Kind of Love〜知らぬ間に心さわぐ〜」。
77年、吾妻との初対面では居酒屋のちゃぶ台の上で裸で踊っていたという、強烈すぎる思い出話付きだ。
ゴールドトップのレスポールをつまびき、しゃがれた声と独特のタイム感で、濃厚なブルースを聴かせる。

続いて福島“タンメン”岩雄
75年からの付き合いで、渋谷ヤマハの店頭のステージで彼のバンドを見た頃、吾妻はまだ大学生だったという。
ブルース日本語化協会の話も交えながら、「Nobody Knows You When You’re Down And Out」。
声の説得力がまるで違う。
ホーンソロが回り、ボーカルを鮮やかに彩る。

そしてEGO-WRAPPIN’が登場し、「Misty」。
森雅樹のゴールドラメのストラトによるグルーヴィなバッキング、中納良恵の圧倒的な歌唱力。
耳をつんざくようなトランペットソロに、クリーンでパキッとしたギターソロが続き、会場の熱は最高潮に達する。

特別な夜は大喝采の終演へ

“派手な曲で”という一言から「150〜300」。
カラフルな照明、ごきげんなビート、手拍子が場内に広がり、アヴァンギャルドなギターソロも飛び出す。

NHK連続ドラマのテーマソングとして知られる「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」。
“1979年の譜面でやっている。紙がこんなにボロボロになるのか(笑)。”
と笑いながら、歌とホーンが軽やかに掛け合う。

誕生日には俺を呼べ」は、高円寺JIROKICHIの35周年のために書かれた曲。
ミディアムテンポで、温かい歌詞が心に沁みる。
前に出て、足を開き、ガニ股で弾くギターソロ。
なぜかこれがたまらなくかっこいい。
サックス、ピアノのソロが続き、曲が終わるとすぐに大きな拍手とアンコールが起こった。

Photo by 山本佳代子 Kayoko Yamamoto

アンコールでは、“いつもやってる曲でお別れしましょう!本当に今日はありがとう!”
と告げ、「ゴミの日来るまで」。
タイトなクリーントーンのギターに、ホーンセクションが次々とソロを回す。
一旦、曲が終わると“マイクが多いね”という会話とともに、ゲスト全員が再登場し、ブルース・メドレーに代わり、順番に1コーラスずつ唄っていく。

Photo by 山本佳代子 Kayoko Yamamoto

そして最後は「打ち上げで待ってるぜ」。
曲が終わると、会場は大きな拍手に包まれた。

45周年という節目を祝う特別な夜。
ただ楽しくて、ごきげんな時間。
音楽はこうやって生き続けるのだと、自然に思わされるライブだった。

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