NO-MAD!酒井泰三65歳Birthdayライブ!
どうしても聴いてもらいたいバンドがある。
特に若い人に、そして生のライブで聴いてもらいたい。
そのバンドというのがギタリスト酒井泰三率いる
セクステット(6人組) NO-MADである。
「聴いてもらいたい」という表現よりも
「音を浴びてもらいたい」というほうが正しいのかもしれない。
NO-MADの音の中にいると
あれこれと細かいことを考えることも忘れて
ステージにただただ集中してしまう。
酒井泰三のバースデーでもある1月16日に
Live Music JIROKICHI(高円寺)で行われた
2024年一発目のライブも圧巻だった。
NO-MADの魅力をもっと多くの人に知ってもらうべく
1月16日のライブのレポートを当日の写真も
交えながらお届けする。
1stステージ!1曲目のリフでノックアウト!!
1月16日に行われたライブはメンバーである
酒井泰三(g,vo)、今堀恒雄(g)、太田恵資(vln)、
荒井裕次(b)、佐野康夫(dr)、ロジャー高橋(dr)に
VocalのAH(高円寺百景)を加えた特別編成。
開演時間となりメンバーが登場すると
満席の客席からの拍子が響いた。
酒井泰三のMCでライブはスタートし、
65歳のバースデーということもあり
祝いの声が客席からも飛んでいた。
MCとバンドメンバー紹介を終え、
1曲目の演奏が始まった。
1曲目は酒井泰三のギターリフから始まる
「Get Tough」
この曲のギターリフを聴くと
一気にNO-MADの世界に惹き込まれ、
観客とステージのメンバーの
ボルテージが高まるを感じる。
今回はさらにリフに合わせてAHが
「Happy Birthday Dear 泰三」
と歌いあげさらに盛り上げた。
リフが終わりバンドインすると
さらに音圧が増していく。
下を支える佐野康夫、ロジャー高橋のツインドラムと
荒井裕次のベースの低音の上に
酒井泰三と今堀恒雄のギターがのり、
さらにその上に太田恵資のヴァイオリンと
AHの高音ボイスがのって最高に心地よい。
そしてなんと言っても
NO-MADはリズムが最高にいい。
轟音を全身に浴びながら
自然と体が動いてしまうのだ。
曲途中の超絶技巧の今堀恒雄のギターソロ、
太田恵資のヴァイオリンソロも圧倒的だった。
NO-MADのライブは演奏ももちろんだが
酒井泰三のMCも魅力の一つ。
この日も1〜2曲に1度MCが入る構成で
観客を楽しませてくれた。
1曲目の後のMCでは
「最近気づいたんですけど「Get Tough」は
もう30年以上やっているんですよね」
と言って会場を驚かせていた。
<酒井泰三(g,vo)>
2曲目に演奏されたのは「アイハアルノカ」
軽快なリズムが特徴のこの曲は、
軽快でありながらもリズム隊がしっかりとボトムを支えており
重厚感と軽快さを兼ね備えている。
1曲目とはガラリと雰囲気が変わるが
しっかりとリズムにのれる1曲だった。
NO-MADの特徴のひとつに
佐野康夫とロジャー高橋のツインドラムがあるが
この「アイハアルノカ」は音が異なる2人のドラムの
交わりが心地よく、魅力的に感じた。
<佐野康夫(dr)>
続いて1stステージのラスト曲として
演奏されたのは「砂の匂い」
今堀恒雄の超絶技巧プログレギターソロから入るこの曲は
ソロの間、観客だけでなくメンバーも今堀恒雄のギターに
熱い視線を送っていた。
そこに太田恵資のヴァイオリン、
ドラムとが徐々に重なっていく。
目を閉じるとまさにそこに
異国の砂の世界が広がっているように感じた。
メロに入ると荒井裕次のベースと
酒井泰三のギターがうねるような低音を出し
そこにAHの高音も重なっていく。
出だしから中盤まではプログレ要素が強めだが
中盤以降はゆったりとした曲調となり
異国情緒あふれる太田恵資のヴァイオリンが
フィーチャーされる。
ヴァイオリンに交わるAHの声もとても美しく
重厚な音にどっぷりと浸れる1曲だった。
<荒井裕次(b)>
2ndステージは1stステージとはまるで別物
2ndステージは
AHのホーミーボイスから始まった。
1stステージでの美しい高音とは
打って変わっての声に観客は目を見張った。
そして2ndステージ1曲目の
「ネブタ」が始まるとバンドの重厚な音に合わせ
圧倒的な声量の低音ボイスで歌い上げ
さらに観客を圧倒した。
「ネブタ」はその名の通り
青森のねぶた祭りからイメージがわいて
作られた曲とのことだが
酒井泰三のギターカッティングが
まさに祭りを連想させるような音を出していた。
曲の中盤以降は太田恵資のヴァイオリンソロ、
今堀恒雄のギターソロが入るが
ねぶた祭りで大きな人形ねぶたを見たときの
なんとも言えない異空間にいるような気持ちが味わえる。
2ndステージ1曲目では
今回は NO-MAD ではなく NO-MAD with AHの
ステージであるということがあらためて強く感じられた。
< AH(Guest Vocal(高円寺百景))>
2ndステージ2曲目は「愛しき日々」
ここまでの曲とは全く異なる
ゆったりとしたバラード曲。
まずは曲に合わせて酒井泰三の語りが入り
観客をわかせた。
その後AHの歌が入るが
2ndステージ1曲目とはまた
打って変わってAHがシャンソンのような
艶やかな声で豊かに歌い上げ、
そこに太田恵資も声で加わり
2人の掛け合いが魅力的だった。
「NO-MAD with AH」は今回で2回目だが
前回よりもさらにパワーアップしていると
この1曲で強く感じた。
<太田恵資(vln)>
そして2曲目の興奮も冷めやらぬままに
2ndステージ3曲目の「ズットズット」へ
今堀恒雄が奏でるオートワウ使った
ギターの音が酒井泰三の歌とマッチして
不思議な心地よさを感じる。
曲の入りはスローテンポだが
徐々にテンポアップしてダンサブルな
曲へと変貌する。
中盤以降での太田恵資のヴァイオリンソロのときの
佐野康夫とロジャー高橋のドラムがみせる
音が重なったり離れたりとする掛け合いが面白く
ツインドラムならではの楽しみがあった。
<ロジャー高橋(dr)>
2ndステージ最終曲は
「ようこミライへ」
最終曲の出だしはやはり
酒井泰三のギターリフから。
出だしの印象でアップテンポな明るめの曲かと思いきや
メロに入るとよい意味で裏切るような重低音ゴリゴリの
バンドサウンドが鳴り響く。
それでありながらサビではしっかり広がりももたせ
AHのシャウトも光っていた。
中盤以降では今堀恒雄の超絶技巧ギターソロで
圧倒的な存在感をみせた。
終盤の重低音かつ轟音のリフ回しで
客席のテンションは最高潮を迎え
大きな声援とともに本編を終えた。
<今堀恒雄(g)>
アンコールはブルーズセッション!
本編終了後、鳴り止まない拍手の中、
まずは酒井泰三、太田恵資、荒井裕次の
3人が再登場。
アンコールとして始まったのは
なんとブルーズセッション!
徐々に今堀恒雄、佐野康夫、ロジャー高橋、
AHも加わって音が重なっていった。
凄腕の7人が奏でるセッションは
見応え抜群!
ブルーズセッションにのせて酒井泰三が
“65(歳)になっちまった”
と歌っていたが、
まだまだこれからという気持ちが
感じられるライブだった。
まだ見たことがない人は生のライブで
NO-MADの心地よい濃密轟音を
ぜひとも全身で浴びてもらいたい。
<1/16ライブ Set List>
1st ステージ | |
1 | Get Tough |
2 | アイハアルノカ |
3 | 砂の匂い |
2nd ステージ | |
1 | ネブタ |
2 | 愛しき日々 |
3 | ズットズット |
4 | ようこそミライへ |
アンコール | |
ブルーズセッション |
NO-MADのCD
NO-MADのライブCDもぜひ聴いてみてください✨
LIVE AT SHOWBOAT 2012