先日、初の日本武道館公演を成功させたNEMOPHILA(バディットマガジンでもいずれライブレポを掲載します)。
そのギタリストであるSAKIがソロシングル「GERMINANS(ジェルミナンス)」をリリースした。
慶應義塾大学卒で英語も堪能な才女は2010年にmixxでデビューしたの後、2013年にMary’s Bloodに加入。
女性メタルバンド台頭期のギターヒロインとして早くから脚光を浴びてきた。個人的に彼女の存在を意識したのは、聖飢魔IIのコアな信者であるということを知ったから(笑)。
ルーク篁参謀同様にKillerギターを愛用、シグネチャーモデルを華麗にプレイする勇姿に一目惚れしたのでした(Killerギターでシグネチャーを発表している唯一の女性ギタリストでもあります!)。
2019年にはNEMOPHILAを結成。このNEMOPHILAを結成した際は、それまでのバンドとタイプが違ったのでどういうバンドかを把握するのに僕は随分と時間を要しました。
もちろんHR/HMテイストありつつもミクスチャーやEDMテイストも濃厚、それでいてダンサブルでびっくりするほどキャッチーな楽曲もありと、ちょっとびっくりなバラエティ感というのは、先日リリースされた3rdアルバム『EVOLVE』でも顕著です。
中でも個人的にホットなのは、ゴリゴリミクスチャー路線主体の中で、初期ライブから披露されている、サングラス姿で振り付けありでプレイするダンスビートの異色作「Night Flight」が遂に『EVOLVE』に収録!この「Night Flight」の作詞作曲もSAKI自身によるものなのでした。
日本武道館公演でもその音楽性の幅広さ、卓越した演奏技術によるステージングで、女性バンドとして新たな時代の扉を開いてみせた感がありましたが、より海外においての評価も高まっていくだろう手応えもありました。
本当、面白い時代になったものです。こんな音楽シーンになるだなんて30年前では全く想像つかなかった。
NEMOPHILA自体が実力派女性ミュージシャン集団のバンドですが、SAKI、葉月の時にツインリードを担う各々のギターヒロインっぷりが圧巻です。
各々タッピングなり華麗なテクニックを擁して弾きまくるわけですが、SAKIはスピーディなフィンガリングも得意としつつも、ブルージーでちょっとワビサビ効かせたようなトーンも織り交ぜたりする面白さがあります。
先述の「Night Flight」も然りですが、特定の音楽ジャンルだけでは終始しないスタイルと言いますか、それはMary’s Blood時代から顕著だった気がします。
元ドラゴンフォースのフレデリク・ルクレールとのプロジェクトAMAHIRUでも活動したりと、当初から多彩な活動を展開してきているのも特徴的です。
ソロ活動としてはまず2021年に「BRIGHTNESS」を発表。和情緒も感じるピアノとストリングスを導入部にしつつ、ハードなメタルインストに展開する楽曲でした。
まさにワビサビを感じさせるメロディアスナンバーで、目まぐるしく展開する中で奏でられる多彩なトーンも聴きどころです。女性ダンサーを従えてダンサブルにプレイしてみせたMVも傑作!
そして3年振りとなるソロシングル「GERMINANS(ジェルミナンス)」は、タッピングを導入部にメロディックかつ重厚なハーモニーのギタープレイが連なるアレンジ。
GERMINANSとはラテン語で”芽吹き”を意味するそうですが、一転しての巻弦フレーズからのややブルージーなニュアンスも内包、静と動の対比で展開されていくドラマティックさが痛快な仕上がり。何か新しいことが始まった感を感じさせます。
NEMOPHILAのプロデュースワークを共にしているNumero.8(岡ナオキ/秋山健介)が参加しているほか、ドラムではなんと川口千里を起用。
ベースでは先述のAMAHIRUでも活動を共にするフレデリク・ルクレールが参加という豪華メンバーなのも話題です。シネラマサイズで作られたMVも面白いですね。
「今年は自分自身にギターヒロインになる、という目標を課して活動しようと考えています。まずはこの曲と6月のライヴを皮切りに、もっともっと良いギタリストを目指して頑張ります!」とはSAKI談。
楽曲はコチラ
SAKI初のソロライブ開催が決定
さらに6月21日(金)にはSAKI 初のソロライブの開催が決定だ。ゲストミュージシャンとして川口千里(ds)、そしてはな(Gacharic Spin)がギタリストとして参加(彼女もなんならドラム叩いても面白そうだけれど…)。
これまでもインストゥルメンタルスタイルでの企画ライブを繰り広げてきたSAKIだけに、NEMOPHILAとはまた違った一面を見せてくれるはずだ。
…聖飢魔IIカヴァーももしかしたら聴けるのかな? ライブ会場は現時点では発表されてないので、決定次第改めてお伝えしたい。