服を買う時って下半身が後回しになりがちですよね。
アウターやシャツばっかり買ってしまう。買い物あるあるだと思います。
でも人間の視覚情報先って先端が目に付くんですよ。
つまり顔と足。
「お洒落は足元から」古典的な言い回しですがその通りだと思います。
つまりピカピカの靴を履いて、美容皮膚科に通いましょうみたいな^^(お洒落な被り物もいいかもしれませんね。)
全体のスタイリングを決めるのも下半身なんです。
意外と上半身より、パンツと靴が重要なんですよ。
下を疎かにすると一気にスタイリングが微妙になります。。
特に男性のパンツとか靴とかのトレンドってそんなに変わらないので、そこに投資するのはコスパいいですよ。
って事で今回はパンツについて語ります。
Thing of remain 〜Part.4〜
その辺を散歩しているお年寄りがよく履いている定番パンツといえばチノパン。
チノパンは19世紀にインドに駐留していたイギリス軍が履いていたパンツが元祖。
当時、イギリス軍で採用されていた白いパンツはインドという土地では目立って仕方がないので、自分達で泥水やカレー粉などに浸しカーキー色に染めていた。
その後、イギリスでカーキーのミリタリーパンツが大量生産された物がインドに輸出され、余剰分が中国へと流出したのを、大量に米軍が買い占めた際にチーノ(China)から買ったパンツということチノクロスという生地のパンツということチノパンになった。
ちなみに”カーキー”とはヒンディー語で「土埃」という意味みたい。
5年前、なぜかチノパンがマイブームだったんですよ。
それまでチノパンを殆ど穿いてこなかったのは、なんとなくお爺さんが履くパンツというイメージが強かったのが理由かもしれません。
ある日、何気なくラルフローレンのアウトレットに行った際に購入したのが、僕の初めてのチノパンでした。
ラルフの物を手に入れてからは、スタイリングのスタメンとしてチノパンが選択肢に加わり、
それ以降イタリアのパンツブランド「INCOTEX」や「Dries Van Notten」のチノパンとか色々なテイストのチノパンを所有していきました。
で度重なるアップデートを重ねた結果、辿り着いたのがこのチノなんですよね。
〜m-45 U.S.ARMY CHINO PANTS〜
1940年代にアメリカ軍に支給されていたもの。
僕の中で原点において頂点と言えるチノパン。
(またいずれ変わると思いますが^^;)
チノパンの由来ともなったオリジナルのやつです。
ではディテールと年代の説明から入ります。
アメリカ軍にチノパンが採用されたのが1941年からで、最初期のモデル”m-41”は古着界隈でも結構レアなんですよね。
初売りとかに出るレベルで普段はあまり見かけません。
特徴としてはこのモデルにだけフロントにメタルボタンが採用されております。
次に43年製造の”m-43”ではメタルボタンから尿素ボタンに変更され、フロントにガスフラップが付くのが特徴です。
これはフロントからガスの侵入を防ぐ為に、前立ての生地が長めに取られているのですが、果たして効果はあったのでしょうか。
次に僕の所有している”m-45”です。
こちらは1945年に作られた物で40sのARMYチノで一番、球数が多いと思います。
”m-45”は”m-43”タイプからガスフラップが排除されたディテールで、やっぱりガスフラップは意味が無かったのか排除されていますね。
次は50sのモノになるとシルエットがやや太くなり、アウトシームの縫製がダブルからシングルになります。
60sはボタンフライからジッパーフライに変わりシルエットもテーパードに
(つまり現代的なパンツのシルエットになります)
ぶっちゃけ、あんまり見た目は変わらないのでまずは60sから手に取ってみてはいかがでしょうか。60sなら値段も優しめ。
僕はm-41が欲しいですが、今の相場だと7〜8万するので悩み中。
状態が良い物だと10万オーバーかも。
軍物のデニムに比べるとまだ値段は優しめですが当時、無料で配布されていたモノにこんな価値が付くなんて昔の人もビックリですよね。
生地感はヌメッとした感じで柔らかいです。
支給品とはいえ、当時の良質なコットンを使用していたのが伺えますよね。
シルエットはハイウェスト気味で股下はズドンと太いです。
裾幅25cmくらいなので足元はシャープなシルエットなモノがおすすめ。
若い子はY2Kとか意識するとハイテク物がいいのかも。
シルエットはラギットで土臭いのだけど、westonの靴なんかと合わせるとどこか品があるんですよね。
非常に今っぽいというか、現行ブランドにもサンプリングされまくっていますよね。
基本何にでも合いますが、僕は夏にはANATOMICAのwakouwaのデッキシューズなんかと合わせて、1人陸海コーデなんか楽しんでます。
ちなみに40sのホワイトverチノも持っていて、こっちは米陸軍上官が履いていたみたい。
こっちはさらに球数少なく、流通量が少なく見つけたらチノパン愛好家の人はマストバイだと思います。
白パンになるとハードルが上がり、下手すると痛いイタリア被れおじさんになりがちですが、シルエットは先ほどの”m-45”と同じなので石田純○感も薄れてカッコいいですよ。
これらを履いて米軍ゆかりの福生や横須賀にでも出かけてみてください。
チノパン難民の皆様、ぜひおすすめの一着です。