北村和孝編集長のチャリティイベント『ワンコにワンコイン Vol.01』ライブレポート！

合同会社バディット 主催による
ライブイベント “ワンコにワンコイン Vol.01” が
HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3にて開催された。

脱力するようなイベントタイトルではあるが、
およそ６００万円と言われる
盲導犬１匹の育成費用は行政からの支援もありつつ、
９割は寄付によって支えられている
というのが現状である。

本イベントは

「盲導犬の育成支援、そしてその現実を
広く知ってもらう啓蒙をするために
チャリティライヴのシリーズイベントの開催しよう！」

という志のもとで企画されたもので、
ユーモラスなタイトル通り、
入場チケットはなんと税込500円と
正真正銘”ワンコイン“のイベントの
有観客ライブ及び配信ライブとなった。

MC SAKURAI

MCはバディット主催イベントでは
もはやおなじみの存在となった
ギター漫談系お笑い芸人のSAKURAIサクライ。

イベントの趣旨を随時で語りつつ、
出演ミュージシャンの紹介を展開していく。

そして後半ではグレッチランチャーを手に、

ギター漫談タイプのステージングで
会場の心を一つにもしてみせた！

門脇寛樹

まずトップバッターで登場したのは
バンド Mellow Flow でも活動するほか、
楽曲提供や短編映画の劇伴も手がける
シンガーソングライター門脇寛樹かどわき ひろき。

エピフォンのセミアコを手に…
時にディスコードっぽい
アルペジオリフだったりと、
独特のコードボイシング感による
音世界、繊細な歌声を聴かせる。

バックを担うのは スマッシュドライブ 及び
小次郎 バンドで活躍中の TK (ds)、志歩（b）、
そして 服部ヒロ（key）で、
特にTK(倉川知也)は 小次郎 本来のパートである
アコースティックギターではなく、ドラム、
志歩はフレッテッドとフレットレス、
昨今は主にピアノソロで活動中の服部ヒロも
複数の鍵盤楽器(シンセサイザー)を使い分けて、
スケール感のあるバンドサウンドが編まれていった。

前回のイベントでも服部ヒロの
鍵盤コンビネーションを見せた門脇だが、
今回のパワフルなリズム隊を率いてのプレイでは
Mellow Flowとはまた違う
耽美的ムードでも楽しませてくれた。

futatsuboshi note

続いての futatsuboshi noteフタツボシノート は
安部 悠星 (Guitar＆Vo)、陽星 (Vo＆Bass)、による
実双子による音楽ユニット。

生ドラムの渡辺雄一をサポートに迎えて
同期サウンドも擁する
独自のデジロックを追究する
futatsuboshi noteだが、
この日は二人によるアカペラコーラスで幕上げ、
インストも交えて、キャッチーながらも
楽器プレイ面でも魅了するステージング。

穏やかなMCも楽しい二人である。

歌心やハーモニーを重視する
楽曲作りやアンサンブルには、
ほんのり80年代ニューウェーヴを
香らせるところもポイント。

服部ヒロ

服部ヒロはっとりひろのソロステージは
こうしたライブイベントでは異色とも言える
ソロピアノによるパフォーマンス。

特定のジャンルの
ピアノスタイルに寄りすぎるのでもなく、
こだわりのメロディ重視で
リズミカルにプレイされる印象。

時折MCも交えつつ、
80年代後半の村松健であったり、
インストながらも詩的な世界をも
感じさせる聴き手を選ばない音楽である。

HELL FREEZES OVER

そしてこの日のゲストバンドである
HELL FREEZES OVERヘル フリーゼズ オーヴァー (H.F.O.)。

ここで一気にハコのボリュームが上がり、
共にVシェイプのギターをプレイする
RYOTO、HIROTOMOのツインギター、
RAY（b）とTOM LEAPER(ds)による
リズム隊にパワフルな演奏をバックに、
TREBLE “GAINER” AIDYSHOの
ハスキーボーカルが暴れまくるステージ。

暴れまくるといえど、
ステージ上の前後の動きなり
左右での距離の取り方など、
立体感で見せてくるフロント隊の動き、
絡み、随所で披露される
RYOTO、HIROTOMO それぞれの
ギターソロやツインリードなど、
全てが計算され尽くしているかのような
シルエットとして美しいステージング。

“A True Heavy Metal Band From JAPAN”
とも称されるというのも納得の
圧巻のステージングだった。

なお、９月にはタイでTESTAMENT、
MARDUKとも対バンが決まっている。

小次郎 feat 惺光玖拾玖

これだけ多彩なメンツの音楽性ながらも、
イベント通してパワフルながらも
クリアな音像が堪能できた。

今回の小次郎は
サポートドラマー に 依田薪哉(a.k.aいだしん)、

サポートギタリスト に 青木 “syun”俊明 を迎えた
スペシャル編成だったが、

そうした前情報がなく観ている人には
すっかり長年プレイしている
バンドの印象だったのではないか。

TKのトレードマークである
オベーションは今回少々暴れ馬すぎて、
自身もケーブルを外したりなんので
失笑していたシーンもあったが、
そんなアクシデントなど
吹っ飛んでしまうくらいの爆裂ステージングで、

門脇のバッキングの時とは全く異なる印象の
低いベースの持ち位置で、地面を唸らすような
フレットレスベースをプレイしていた志歩、
躍動感たっぷりのプリミティブな
ドラムプレイを放った依田薪哉のリズム隊、
TKの無国籍情緒の
アコースティックギターリフに呼応するように、

はたまた惺光玖拾玖さとみつくものリードギターに対しての
オブリガートも絡めて、
リズムギター的役割を担いつつも
存在感を放っていた syun のギタープレイ…

このメンツが小次郎が第六(？)期と言われたら
納得するだろうフェイズ。

オリジナルメンバーのsinは
一時的に活動休止中なのだが、
小次郎イズムをちゃんと継承するとともに
一層高めてくれたサポート二人含む
この編成には喝采である。

終演後

終演後は来場者参加可能、
出演者とも歓談できる
会場打ち上げも行われたほか、
盲導犬支援のチャリティ ライヴイベントとして、
募金箱へ募金した方には出演者の音源が収録された
会場限定の オムニバスアルバム の贈呈なども行なわれた模様。

すでに今秋に
続編イベントも予定されているほか、
12月からスタートする
さらなるシリーズイベントも
もうすぐ発表されるようなので、
バディット・プレゼンツの
ライブイベントに乞うご期待！