画家志望からイラストレーターへ。プロとして生きていくために大事なこととは |色部らこ

バディットマガジンでは『クリエイター発掘にゃ!』と題して、
注目のクリエイターを紹介する新コーナーを開始します!
第1弾は、バディットのオリジナルアニメ
『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』
キャラクターデザインをしてくださった
色部しきぶらこさんを徹底特集!

色部しきぶらこ

色部しきぶらこ Rako Shikibu
1999年生まれ 佐賀県出身

高校、大学で油彩画を勉強したのち、フリーランスのイラストレーターとして活動。
ボカロMVVtuber、配信者の配信用サムネイルなどを多く制作。
立ち絵、一枚絵など、可愛いからカッコいいまで、キャラクターイラストならどんなテイストでも制作。

また、キャラクターイラストの他に
写実的な油彩画の研究も行っている。
油彩画の技術を活かした写実的なイラスト背景の制作も可能。

・Twitter (現・X)
@Rako_shikibu

・pixiv
色部らこ

◯ポートフォリオサイト

PROFILE
色部らこ Rako Shikibu 1999年生まれ。佐賀県出身。 高校、大学で油彩画を勉強したのち、フリーイラストレーターとして活動。 ボカロMV、Vtuber、配信者の配信用サムネなどを多く制作。 オリジナルイラストはキラキラとした女性...

 

色部らこさんとの出会い

色部らこさんのイラストを
初めて目にした時のことを、鮮明に覚えています。
『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』
「Lia」のキャラデザインを見た時、
思わず見惚れてしまうような可愛らしさで。
“こんなイラストを描ける方がいるのか!”
と一瞬でファンになっていました。

さらに驚くべきは彼女が描く油絵
線の描き方、色使いや質感の表現が見事で…
川の描写は水の流れがリアルに伝わり、
猫の絵は写真かと錯覚するほど。

デジタルで描かれたイラストを観て感じるイメージとは
全く違う一面も持ち合わせているんだと感嘆しました。

 

この後のインタビューでは
色部らこさんのこれまでのキャリアや
イラストレーターのお仕事として注目を集めている
「VTuber・ボカロMV」などの
キャラクターデザインの依頼を
どのように獲得してきたのか?
存分に語っていただきました!

『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』のキャラクター

らこさんは、このように取材を受けたことはおありですか?

実は初めてなんです!

では記念すべき初取材ですね!
らこさんはイラストレーターとして
どのような活動をなさっていますか?

「色部らこ」という名前で
イラストレーターとして活動しています。
VTuberさんのキャラクターのイラストだったり
ボーカロイドのMVのイラストなどを多く制作しています!

最近は、VTuberやボーカロイドMVの
イラストを描くことを目指す方が多いそうですね?

はい。最近は結構多いなと感じています!

らこさんは私達バディットとも関わりが深いですが、
きっかけは弊社オリジナルアニメ
『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』でしたよね?

そうでしたね。
イラストレーターとして絵の依頼を募集していたところに
バディットさんから、『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』
というコンテンツを作るので、
キャラクターデザインをして欲しい
と依頼をいただきまして
そこからバディットさんとの繋がりが始まりました。

キャラクターのデザインコンセプトには
細かい指定があったのですか?
それともある程度おまかせだったのでしょうか?

大体の指定はいただいていましたが、
細かい衣装のデザイン、 髪型、髪色などは
私の方でデザインをさせていただきました!
例えば主人公の「なゆた」君は
平凡な学生というコンセプトだったので
あまり目立たないような
地味な印象の服装や、顔つき、髪型で
キャラクターの雰囲気を表現しました。

主人公のお姉ちゃんの「さや」ちゃんは
ちょっと気が強くてハキハキものを言うキャラクターなので、
強気な表情にしたり腰に手を当てるポーズをさせたりして
キャラクターを表現しました 。

「Lia」ちゃんは音楽生成AIということと、
VTuberの衣装のようなイメージというご希望をいただいていたので
ふわっとしたスカートに星マークを付けたりして
可愛くしつつ、アンドロイドっぽさを出しましたね!

特定の印象を出したい時に使うアイテムや
アイコンになるようなものはあるのでしょうか?

ありますね。キャラの性格、好きなもの、
そのキャラが大事にしてるものなど
それぞれの設定から持っている物や衣装の色
髪の色などを決めていきます!
例えばクール系のキャラだったら
寒色系の青や紫のイメージ…
というとわかりやすいでしょうか?
色の与えるイメージって結構決まっていたりするので
そこからキャラのテーマカラーや
持ち物などを決めています!

「初音ミクちゃんを描きたい」から始まった

イラストや絵画はどのように学ばれましたか?

イラストを描き始めたのは
中学2年生ぐらいの頃からですが、
イラスト自体は独学でした。
当時の私はボカロが大好きで
MVを観て初音ミクちゃんを
描きたいっていうところから始まりました。
プロのイラストレーターさんのイラストを模写したり
イラストの本を買って、独学で勉強していました。

絵は完全に独学だったのですか?

いえ、高校・大学と美術系の学校に進んだので
絵は完全に独学というわけではありません。
学校でデッサンや色彩、
色の上手い使い方などを勉強しました!

ひたすら模写して描きまくるところから始められたのですね!

そうですね、たくさん模写してました!
あとは上手い友達の絵を見て
良いところを採り入れたりしていました。

最初は紙に手描きで描かれていたんですか?

手描きでした。最初は鉛筆とコピックという
水性インクのペンで色をつけて描いてました!

コピック公式サイト - クリエイティブになれる色がある
1987年の誕生以来、コピックは世界中のユーザーと色の世界を広げてきました。ユーザーと作った1色1色を大切に、同じ色を作り続けることにこだわっています。キャップを開ければ、あなたもすぐにその色を使い始めることができます。

 

イラストを始めた中学生の頃に、絵を描く仲間はいたんですか?

中学の頃は美術部に入っていて、
周りには同じように
イラストを描く人ばかりがいる環境だったので
絵描き仲間はたくさんいました!

顧問の先生にも、絵画やイラストを教わったのでしょうか?

顧問の先生に絵画的な技術は教わっていましたが、
イラストは教わってないですね。
部活では絵画がメインで、
イラストは空いている時間にたくさん描いて練習していました!

進学した高校は、イラスト系の学科ですか?

高校はイラストではなくて、油絵の学科でした!
美術コースみたいなところで。
いろんな画材に触れるんですが、
日本画、油絵、ポスターなどを描いたり
様々な技術を学ぶ中で
自分が一番やりたいのは何かを絞っていくんですが、
そこで私は油絵を選びました!

大学は美大に行かれたのですか?

いろんな学部がある大学の芸術学部で
油絵を専攻しました。
どっぷり油絵を描く人生で、
青春は油絵に注いでました!
大学まではずっと
イラストは趣味のような感じでしたね。

今描いているようなイラストを
油絵の具で描いたりすることはありますか?

やったことはないですね…
今、イラストはデジタルが主流ですが、
デジタルの機能で、発光させる機能や、
影のように表現できる効果などがあります。
油絵で同じことを表現するのは
少し難しいんじゃないかなって思います。
髪の毛が光っているような表現や
グラデーションにするなどは
デジタルだとすぐにできますが、
油絵だと乾く前に絵の具を混ぜて、ぼかして
といった作業が必要なので
かなり難易度が高いと思います。
でも、油絵でイラストを描いてらっしゃる方もいますね。
かなり技術のいる作業です!

普段のイラストはデジタルで描かれているんですか?

デジタルで描いてます!
PCと液晶タブレットを繋いで描くパターンが多いです。
液タブ(液晶タブレット)にも
色々なメーカーがあって、
私はWACOMの液タブを使っています。

ワコム グローバル
ワコム グローバル

 

液晶タブレットで絵を描く感覚は手描きとはどのように違いますか?

手描きと一番違うところは
修正がめちゃくちゃ楽なところですね!
手描きだと修正できないことがほとんどですが、
デジタルだと消しゴム機能で何回でも消せます。
あとは、さっきもちょっとお話した
光らせる機能や、グラデーションが簡単に作れたりとか、
機能面で全然違いますね!
一方で手描きは直感的に描くことができたり、
筆跡が残ったりするので味が出て面白いです。
キャンバスの表面を見て楽しむこともできます!

SNSでの発信+普段からの地道な交流

踏み込んだことを聞いて恐縮ですが、
今はイラスト1本だけで生計が成り立っているのでしょうか?

そうですね。
個人でイラストの依頼を受けつつ
最近はウェブ漫画にも関わっています!

大学までは油絵をメインに学んでいたとのことですが、
どのようなきっかけでイラストの仕事をやっていこうと決めたのですか?

大学までずっと油絵を描いてきたので、
当時は画家志望でした。
大学卒業のタイミングで、大学院に進んで
もっと油絵を研究しようと思っていたんですが、
大学4年になった年にコロナが流行り始めて。
試験を受けられないなど
色々なことが重なってしまったので、
大学院には行かずに
イラストで勝負してみようと決めました!
油絵の画家でお金をいただくのは、
なかなか難しいなと思ってましたし、
イラストの方が需要も多いのかなと思ったので。
ずっと趣味で描いていたイラストを
大学4年の時から売り始めて、
卒業後から本格的にイラスト一本で活動を始めました。

今お仕事で描かれているイラストは、
VTuberやボカロMVのキャラクターが中心ですか?

はい。VTuberは、キャラクターデザインから
動かす前のパーツ分けのところまで描いてます。
あとはボカロのキャラを
曲のコンセプトに合わせて制作しています!

そのようなお仕事をどうやって獲得していらっしゃるのか、
これからイラストレーターを目指す方は
すごく知りたいんじゃないかと思うのですが、
最初はどのように売り込んでいったのですか?

まずは自分の絵を発信しないと何も始まらないので、
絵を多くの人に知ってもらうために、
SNSで発信するのが第一歩目かなと思います!

SNSはTwitter (現・X) がメインですか?

Twitterメインでやっています。
インスタはほぼ使ってないですね。
やった方がいいと思うんですが(笑)。

なるほど。まずはSNSで、自分の絵を発信して広げていくと。

はい。多くの人に見てもらうために
自分の絵を定期的に投稿していく。
私の場合はボカロの絵ばっかり上げてたんですよ。
初音ミクちゃんの絵ばっかり。
そうしたら、ボカロのファンの方や
ボカロPさんにフォローいただいたりしました!
このように、見つけてもらいたい方の属性に合うように
投稿するイラストのジャンルを絞るのも大事だと思います!

VTuberさんから依頼を頂いたきっかけは??

ボカロの絵以外に、オリジナルの作品も
少しずつ挟んで投稿していたんです。
“衣装のデザインを1からやってみた” などのイラストですね。
そうすると、これからVTuberを始めたい方からDMをいただいて、
ご依頼をいただくようなことがありました。
一回ご依頼をいただくと実績ができるので、
その実績を見て依頼してくださる方も増えてきましたね!

絵を発信することの他に、特に大事にされていることはありますか?

大事なのは交流を持つことかなと思っています。
フォロワーの皆さんとはDM、リプライを通じて
定期的にコミュニケーションを取っています!
交流を持つことによって、
次も私に依頼しようと思ってくださることもあるのかなと。
バディットさんとも頻繁に連絡を取り合ったり
ライブに参加させていただいたりなど、
普段から交流があるからこその関係だと思うので
大事にしています!

ただひたすら絵を上げていくだけでは難しいということですね…

ただ絵を上げるだけでは難しいかもしれないですね。
ものすごく絵が上手くて
投稿するだけでバズるみたいな画力のある方だったら
必要無い場合もあるかもしれないですが…
そういう方ばかりではないですし。
地道に人との繋がりを大事にできると
ご依頼もリピートしていただけたり
途切れずに絵のお仕事をいただける状況は
作れると思っています!

リピートでのご依頼と新規のご依頼、どちらが多いですか?

今はほぼ、リピーターさんで成り立っていますね!

音楽でもそうですが、人との繋がりが大事ということですね。

本当にそう思いますね。

VTuberやボカロなどのイラストを描いて仕事にしていきたいという方に
アドバイスはありますか?

イラストをお仕事にしたい場合であれば、
SNSなどで自分の存在をまず知ってもらい、
コミュニケーションを大事に取っていくことで、
お仕事に繋がりやすくなると思います!

今後の活動の展望はどのようにお考えですか?

今はイラストとウェブ漫画に関わっていますが、
漫画の方にも力を入れていきたいです。
今はコマ割り、セリフの入れ方、演出などを
勉強しています!
イラストももっと伸ばしていきたいですね。
ゆくゆくは自分の画集を出すことを目指しています!!

『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』

色部らこさんにキャラクターデザインをしていただいた
『Lia (リア) 〜音楽作成 AI の物語』はコチラ!

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