Webばん!の『bhodhit magazine』の
新コーナーとして開始から早くも好評を頂いている
『クリエイター発掘にゃ!』。
第2弾で特集する注目のクリエイターは、
クトゥルフ神話やギリシャ神話を彷彿とさせる
モンスターイラストで見る者を圧倒する
DEVELOARTさんです。
何よりもまず DEVELOART さんの
息を呑む作品群をご覧ください。
DEVELOART artworks
DEVELOART (でぃべらあと) とは
DEVELOART(でぃべらあと)
【禍々しさと美しさの共存】
をテーマに、
物語を彩るリアル系モンスターの
キャラクターデザインや、
一枚絵をデジタルイラストで手がける。
育成型RPGやTRPGを制作・運営する企業、
異形系Vtuberに顧客を多く持つ。
ゲーム会社で約5年間培った経験を活かし、
モンスター以外にも幅広いテイストの
イラスト制作も可能。
現在はフリーランスの
イラストレーターとして活動中。
DEVELOART (でぃべらあと) インタビュー
DEVELOART さんの作品、如何でしたでしょうか。
『禍々しさと美しさの共存』という
キャッチフレーズがとてもしっくりくるであろう
作品群ではないかと個人的に感じました。
このように素晴らしい作品を産み出されている
DEVELOART さんですが、
才能・能力だけで現状に至った訳ではなく
意外にも イラストレーター専業になるまで
さまざまな紆余曲折があった、とのこと。
今回、そのストーリーに
私ことfutatsuboshi noteの 安部陽星が
足を踏み入れていきたいと思います。
映画『AVATAR(アバター)』の影響からモンスターイラストへ
初めてDEVELOARTさんの
イラストを拝見した時から、
独特の世界観に引き込まれてしまいました。
こういった絵のジャンルを選んだきっかけは
何だったのでしょうか。
「箸より先に鉛筆持ってたよ」と
家族に言われるくらい
幼い頃から落書きなどを
たくさんしてきましたが、
このジャンルやテイストで
いきたいと思ったのは
高校3年生で進路を決める時ですね。
絵の業界に入ろうと決断した
1番のきっかけが
当時話題だった3DCGの映画
「AVATAR(アバター)」だったのですが、
ジェームズ・キャメロン監督が描いた
設定資料集に載っている
モンスターのラフスケッチが
あったんですね。
デザイン自体素晴らしかったのですが、
イラストに付随して書かれた
「制作仲間の声」で
「一目見ただけで、
彼のベイビーだとわかったよ」
というフレーズに衝撃を受けました。
その人にしか出せない
魅力・独自性が素晴らしいのと、
イラストをパっと見て誰が描いたかを
わかる仲間が周りにいる事実が、
なんて素敵なんだと思いまして…。
そのようにモンスターを描きたい、
クリエイティブな仲間が欲しい、
と思って始めました。
他には、漫画『GANTZ(ガンツ)』にも
かなり影響を受けましたね。
そういったものを
DEVELOARTさんの中で組み上げて、
今のスタイルを身につけたのですね。
モンスターを描く理由が
もう1つあるのですが、
多くの方が描かれる人物系のイラストは、
人体構造で「こうあるべき」というのが
結構定まっているんですね。
ですが、モンスターだと
ラフにあれこれアレンジできるので、
基本何も考えずに描いてたら出来上がる、
ということもあったりしますね。
確かに、そのような設定を
自分で作ってしまえるという…
そうですね。
割と自由なので、
それもあってというところですね。
あまり縛られるのが
お好きではないような(笑)
性格上そうなのかもしれないですね(笑)。
地元を離れているとか、
そういったところに
繋がってきそうな気もしますね。
クライアントの要望を『良い意味』で如何に『裏切る』か。
1つ1つの作品を描く上で、
どういった思いを込めていますか?
メインのモンスター系ですと、
まずはクライアント様が求めてるものを
いかに形にできるか、
というところですね。
最初はヒアリングで、
どんなものが求められているかを
お聞きすることに1番に
力を入れています。
質問も多くさせていただいて、
細かくイメージが湧いたら
初めてそこで描き始めるので、
どれだけ寄り添った
ヒアリングができるかで
決まってきますね。
ご要望をいかに「裏切る」か…
予想よりも遥かにいいものが出来上がったと
思っていただけるかどうかを
常に考えています。
例えば、少し光を加えて視線誘導をしたり、
画面を賑やかにさせるために
木をたくさん置いてみたり、
あらゆるパターンを想定して
アレンジも加えさせてもらってます。
独特なキャラクターが
多いような印象を持ったのですが、
キャラクターを作る上での
インスピレーションは
ヒアリングから生まれるのか、
普段のインプットから
出てくるものなのか、
どちらでしょうか?
極論どちらもですが、
こうして欲しいというご要望にプラスして、
自分が今まで培ったものや、
引き出しから出すイメージですね。
かつ、様々な資料や作品も見て
アップデートさせていきます。
結果として、
自分自身の予想も上回る作品に
なることが多いですね。
文字にもかなりのこだわりを感じましたが、
ご自身で書くこともありますか?
あまり手書きはしなくて、
基本はフォントですね。
例えば、和風のイメージなら
手書きとかも全然ありかなと思いますが、
クトゥルフ神話やギリシャ神話等を
イメージすることが多いので、
イラストの世界観を崩さないように、
禍々しさや怖さを感じられる
フォントを探しますね。
世界観を崩さないということに、
1番気をつけます。
トライ&エラー。ほぼ独学で身につけた作画技術
絵についてはどのように
学んで来られましたか?
誰かに師事をしたのか、
独学で描いてきたのか、
どちらでしょうか?
イラストの基礎としては
仙台デザイン専門学校で学びましたが、
ジャンルがジャンルなので、
基本は独学ですね。
モンスター系の絵を教えてくれる環境は
少ないでしょうか?
そうですね、少ないかもしれないですね。
当時それを探すという発想もなかったので、
どのくらいあったのかもわからないのですが。
モンスター系に関しては
独学で描くのが
楽しかったこともありますね。
ただ、何をするにも指導者がいた方が
いいとは思います。
やはり、指導者がいた方が
成長も早いでしょうか?
そうですね。
最初は何が正解かわからないまま
突き進んでしまうので、
つまずくことも多いと思います。
ですが、時間も有限なので、
トライ&エラーを繰り返す中でも
指導者がいるとすぐに助言をもらえるので、
行かなくてよかった遠回りを
減らすことができます。
軌道修正と言いますか、
早く目標にたどり着けると思うので
指導者がいた方がいいですね。
基本的に、絵は手書きなのかデジタルなのか、
どちらでお描きでしょうか?
ラフから完成まで、
全てデジタル作画ですね。
専門学生時代から数年は
アナログでラフを描き、
スキャナーで取り込んだ後に
デジタルで仕上げていましたが、
今は終始デジタルで作成しています。
イラストだけでなくフィギュア化も視野に。
現在フリーランスで活動されていますが、
イラストのお仕事はどのように
受注されてますか?
X(旧Twitter)等のSNSや、
クラウドソーシング系のサイトで
依頼をいただくことが多いですね。
今はイラスト1本だけで
生計を立てている状況ですか?
現状はイラスト関連の仕事のみですね。
新たに3DCGの勉強を始めたので、
それも今後は事業の一環として
やっていきたいです。
フィギュア化も目標としてますし、
海外進出も視野に入れてます。
DEVELOARTさんの絵は
海外でも評価されそうな印象です。
そもそもモンスター系のジャンルは
海外の方が需要がありますので、
そういう市場に向けても
参加したいですね。
サラリーマン時代の経験がイラスト専業への道を後押し
イラストレーターという
職業に就くまでに、
どのような道のりを
辿って来られましたか?
専門学校に在学中、
学校側へソーシャルカードゲームの
イラストの依頼があり、
そこで選出していただいて
描いたのが最初ですね。
半年ほど描かせていただきましたが、
労力の割に収入もあまり無く、
実は一度イラストの道は
断念したんですよね。
そこから地元のリフォーム会社で
約3年ぐらい働きました。
業務内容もイラストとは
関係ない分野でしたか?
そうですね、全然違いましたね。
とりあえず働こうという時に
たまたま目に入った求人が
リフォーム系で、
物作りという意味合いでは
同じかなと思って始めました。
そこで現場監督補佐として
職人さんと関わったり、
大工見習いとして動いたり、
除染作業の現場では職長も
経験しました。
そのような経験は楽しかったし
やりがいはありましたが、
本当にやりたい事はこれじゃないなと
思った瞬間がありました。
そこから絵の仕事に
就きたいっていう気持ちが
どんどんこみ上げてきて、
上京を決意しました。
上京後は様々なアルバイトをしながら
イラストを描き貯めて、
1年半ほどでゲーム会社に入社し、
キャラクターのイラストを
描くことになりました。
最初はアルバイトでしたが
半年後に正社員になりました。
そこから5年後に退社し、
現在までフリーランスとして活動しています。
所謂『脱サラ』組だと思うのですが
そのような紆余曲折を経たからこそ、今に至っているという。
遠回りもしましたが、
無駄じゃなかったと思いますね。
様々な場面で、
その時の経験がいつ役立つか
分からないですからね。
リフォームのお仕事も、
振り返ってみて役に立ってるなと感じますか?
感じますね。
「報・連・相」もそうですし、
気配りや目配りですね。
どの仕事でも通じるような
基礎的な部分も身につけられましたし、
職人さんやお客様と対面で関わることで
人間として成長できたというのがあります。
それがなかったら、
イラストで今頑張れてるかと言うと
少し難しいかなと思いますね。
今後の展望は、
どのように考えていますか?
イラストに関しては
より多くの方に見てもらいたいですし、
3DCGの方でも最終的には
モンスター系のものを手掛けたいので、
そちらでも国内外に進出しようと
考えています。
あとは、自分自身が培ってきたスキルや知識で、
これからイラストの道を志す人たちの
力になれば嬉しいなと思ってます。
DEVELOART流 専業イラストレーターを志す上で、3つの大切なこと
これからイラストの道を志す方に、
メッセージをいただけますか?
活動をしていく中で、
大切にすべきことが3つあります。
まず1つ目は、楽しむこと。
2つ目は、目的に向かってできるだけ早く動くこと。
3つ目が、頼れる人を見つけることです。
1つ目に関しては、
1番自分が描いてて楽しいと感じるテイストを
メインにしたほうが、
好きだから続けられるというのがありますが、
他のテイストにもチャレンジして
視野を広げるのが大事かなと思います。
僕の場合はモンスター系が
メインにありつつも、
人物系やミニキャラ・似顔絵・乗り物系も
描きます。
そういったものも経験して
スキルを上げていくと、
よりメインの本当にやりたいものを
楽しめるようになりますね。
2つ目ですが、
やはり時間は有限なので、
できるだけ早く目的を見つけて
それに向かってトライ&エラーを
繰り返すということですね。
意図があって遠回りするのはいいですが、
まだ自分にはできないとか
まだ早いなと思う必要は全くないです。
始めたばかりの頃は
上手くできなくて当然なので、
安心してください。
僕はすごく遠回りしたからこそ、
今志してる方には
早く目標にたどり着いて欲しいですね。
3つ目に関しては、
そういった意味でも1人では
分からないことだらけなので、
いち早くその分野の人に
コンタクトをとって、
相談に乗ってもらうことですね。
自分1人で活動して
5年10年と遠回りするよりも、
目標に早くたどり着ける可能性が
上がるかと思います。
まずはフットワークを軽くして、
呼ばれたらすぐ会いに行くとか。
仲良くなるまでに
最初は煙たがられてもいいので、
どんどん自分からアクションしていくと
ちゃんと自分に返ってきますね。
「可愛がられる力」
みたいなものですかね(笑)
そうですね(笑)。
手助けしたいなって思ってもらえる関係が
いいのかなと思いますね。
この3つを意識できると、
前に向いて進みやすいかなと思います。