日髙麻鈴 インタビュー | 1st Mini Albumリリース、1st Solo Live開催間近!「表現の全ての原点が音楽に」


BABYMETALベビーメタル三吉彩花みよしあやか松井愛莉まついあいり、そして今年櫻坂46に加入した佐藤愛桜さとうねおなど、多くの卒業生が今も第一線で活躍し続けている、かつての名門アイドルグループ・さくら学院
その中でも特にアーティスト性が強く、強烈な個性と輝きを放っていたのが 日髙麻鈴ひだかまりん だ。
さくら学院在学中から、映画に出演し絶賛を受け、卒業後は女優の道へ。
そして今、フリーとなった彼女が選んだ新たな挑戦は音楽であった。
12/1に初のワンマンライブ、ミニアルバムリリースを控える今、『バディットマガジン』にて日髙麻鈴に直撃インタビュー。
音楽のこと、演技のこと、さくら学院のこと。
ファンが知りたかった話をたっぷり語ってもらった。

日髙麻鈴(ひだかまりん)

2003年12月1日生まれ。
子どもの頃にモデル経験があり、それをきっかけに歌唱やダンス、エンターテインメントの世界へ関心を抱くように。
2014年から2025年までアミューズに在籍。2015年から2019年の期間はアイドルグループ、さくら学院のメンバーとして活躍した。
2019年5月、映画『さよならくちびる』への出演で女優としての道を本格的に歩み始める。
その後、映像作品や舞台公演など多岐にわたる分野で活動を展開。
2025年4月より音楽活動をスタートした。

映画出演作

・『さよならくちびる』麻希役
・『麻希のいる世界』麻希役
・『美晴に傘を』美晴役
・『遺書、公開』相畑詩帆役

ほか短編映画、舞台、CMなど多数出演。

音楽活動

・12月の雨の日
・True Colors
・排水管メジャー、排水管マイナー
・ざーざー雨
・SCREAM!!
・さくら学院 2015〜2019

日髙麻鈴 公式サイト:

日髙麻鈴 オフィシャルウェブサイト

 

日髙麻鈴 インタビュー

自分の心の声に従って

これまで映画に多く出演されていましたが、(2025年)3月いっぱいで、フリーで表現される道を選んだ理由は?

日髙麻鈴(以下、日髙):今まで約11年間、アミューズでさくら学院での活動から、卒業後は女優活動をしていく中で、ありがたいことにほんとにいろいろな経験をさせていただいて。
最初、さくら学院で歌とダンスなどのパフォーマンスを4年間経験して、途中の中3の時に「さよならくちびるという塩田明彦監督の作品に出演させていただいて、お芝居に本格的に触れるようになったんです。
それがきっかけになって、さくら学院を卒業後に女優として活動を始めました。

自分の中では型にはまって、1つの表現で生きていくビジョンがあまりなかったんです。
もっと好奇心旺盛に、興味を持ったことに対していろんなことにチャレンジしたい、経験をしていきたいっていうのがものすごく強くなっていったんです。
なのでフリーになって自由になった分、大変なこともあるけれど、自分の心の声に従って、挑戦していきたいっていう気持ちです。

さくら学院を卒業して、演技メインの道に進まれましたが、その時も演技以外の表現をしたいという思いはあったのですか?

日髙:ありました。歌手、SNS、YouTube、絵を描きたいとか、とにかくやりたいことがいっぱいあったけど、まだふわっとした状態だったんです。
その時は塩田監督が、“日髙さんはお芝居に向いているよ”って言ってくださったことがきっかけで、さくら学院を卒業したら本格的にお芝居を勉強しようという気持ちでした。
でも大人になっていくにつれて、どんどんいろんなことにチャレンジしたいという願望が具体的になって、強くなっていきました。

さくら学院の頃から演技のレッスンはされていましたか?

日髙:当時はアミューズキッズでお芝居のレッスンはあったんです。
さくら学院のメンバーはやっぱりそちらの活動が主だったので、そこまで参加できなかったのですが、時々受けさせていただく機会はありました。
最初はまだなんとなくだったんです。お芝居に対して、ものすごく意欲があったかというとそうでもなかったんですが、やっぱり「さよならくちびる」に出演したことが大きなきっかけだったと思います。
2、3シーン、(新谷)ゆづみと2人で一緒に“ハルレオ”っていうバンドを応援している女子中学生の役で。その中に泣くシーンがあって、でもそこで私がアドリブをかましてしまって。
それがありがたいことに塩田監督にものすごく評価していただいて、それが無かったらお芝居の道に進んでいたかはわからないです。
その時の突発的なひらめきが評価されたということが、もしかしたらお芝居の道に行ってもいいかもしれない、やってみたらなにか違う景色が見えるかもしれない、って思ったきっかけだったのかなって思います。

それはほんとにその時のひらめきで…?

日髙:考えてやったことじゃないんです。多分中学生の自分にしかできなかったことだったのかなって。
それが作品の中でいい方向に転んだっていうのが奇跡にも近かったですし、今そんなことは多分できないです(笑)。

いろいろなやりたいことがあった中で、音楽をやろうと決めたきっかけは?

日髙:自分が芸能界に興味を持ったきっかけが歌手だったんです。母がアメリカに住んでいたこともあって、洋楽にすごく詳しくて。
小さい頃から母の流す音楽を聴きながら育ってきて、その中で1番衝撃を受けたのがビヨンセでした。ビヨンセがきっかけでこの世界を志したと言っても過言ではないぐらい、結構な衝撃で、スタート地点が音楽だったんです。
ステージに立って歌う姿や歌声に、ものすごく心を動かされて。
子供の頃から歌っていきたい気持ちはものすごく強かったと思うんです。
だから自然と、歌手をするビジョンがずっと心の奥底では明確にあって、それが今こうやって具現化して、形にできているのではないかなって思います。

“表現の全ての原点が音楽にある”とおっしゃっていましたが、ビヨンセがその原点になりますか?

日髙:出発地点はそうですね。とにかくビヨンセにハマって、朝から晩まで観てました。
ひとつのものにハマると熱中するタイプなんです。

ビヨンセはイメージになかったので意外でした。

日髙:ちょうど私が子供の頃は、1番全盛期で。

特にお気に入りだった曲は?

日髙:1番聴いてたのは「Listen」でした。
映画「Dreamgirls」の曲で、ずっと真似して歌っていた記憶があります。

英語がお得意だと思いますが、その時も英語で歌っていましたか?

日髙:すごく小さい頃だったので、意味はそこまで理解していなかったですが、耳で発音を覚えて、自然に歌っていたと思います。
あと、これはさくら学院の頃にもお話はしていましたが、幼稚園はインターナショナルスクールに通っていました。そのおかげで今も英語は聞き取れます。
さくら学院時代に同世代の育ってきた環境が違う子たちと一緒に活動していた時期は、すごく学びになりました。

タイムカプセルみたいな感覚に近いというか

過去のインタビューで、“音楽や、絵を描いたり、物語を作ったりするのが心のよりどころで、いつか世に出したい”とおっしゃっていましたが、今がその“いつか世に出したい”を形にしている時でしょうか?

日髙:「Round and Round」をリリースしてから、まさに旅が始まったなという感じがしています。
ずっと自分の作ったものを皆さんにお届けしたかったのですが、やっとスタートを踏み出せました。

「Round and Round」では作詞やアートワークもされていますが、どんな思いで作られましたか?

日髙:「Round and Round」は、まずこういう曲を作りたいとリクエストをプロデューサーの森広隆さんに渡し、デモをいただいたんですが、その中で、「Round and Round」のバックトラックを聴いて、“これがデビュー曲だ“”と直感して。
この曲を制作していた3〜4月頃は、いろんなお別れがあったんです。
前向きな別れもあれば、そうじゃない別れも人生の中で必ず経験するじゃないですか。
私はまだ22年間しか生きていないですが、その別れを受け入れることってものすごく難しいことで。
別れに対しての執着を手放せない自分の性格を、すごく否定してしまっていた時期があったんです。
でもそういう自分も受け入れようと、ポジティブに置き換えて書こうと思って、「Round and Round」の歌詞が出来上がっていきました。

英語の歌詞にしたのは、ストレートに自分の言いたいことを書きたかったからです。
英語の方が、曲の爽やかなリズムにも乗りやすいし、ポジティブに伝わりやすいんじゃないかなって。
アートワークは、曲調がすごく爽やかで、今から始まるぞ、オープニングだぞっていうのを、可愛く明るく見せたかったんです。
写真は友人に撮ってもらって、世界観に合うように、クレヨンやチョークっぽい書体でデザインしました。
Tシャツのグッズにもしたんです。

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作詞をされたことで、折り合いがつかないことが解放されたりはしましたか?

日髙:ありますね。一種のタイムカプセルみたいな感覚に近いというか。
その時に思っていたこととか、伝えたいことが曲の中にしっかり入っていて。
作り終わってから時間が経てば経つほど、“あの時こういう風に思ってたんだ”とか。
でも今は辛かった気持ちは全然ないですし、そういう意味では一種のセラピーのようなプロセスになっていたんじゃないかなって思います。

バックトラックが先に来たということは、歌詞は後から?

日髙:歌詞は後からです。あと、バックトラックは何回もやり取りしながら作っていきました。
“もっとキラキラ感が欲しい”とか(笑)。

リクエストは、“キラキラ”とか擬音語が多かったのですか(笑)?

日髙:全部擬音語でした(笑)。本当に森さんにはすごく頭を悩ませてしまったと思います(笑)。
でもすごくキラキラしましたね。

これまで楽器のご経験はありますか?

日髙:小学生の時にピアノを少し。
ギターは中学2年生の時に、生配信番組の企画で、さくら学院の「アイデンティティ」を自分で英語に訳し直して、ワンコーラスをギターで弾き語りするっていう企画をやったんですが、その時にギターを教えてくれたのも森広隆さんでした。

映画「麻希のいる世界」ギターを弾くシーンがとても印象的でした。

日髙:撮影の時、実際に弾いていました。
ギターのフレットを押さえるだけの曲を向井秀徳さんが作曲してくださったんですけど、弾き方も教えていただいて。
その作品の重要な曲だったので、自分が弾くとなると、やっぱり怖かったです。

あのシーンは自分が出す音、表現がわかっているような弾き方で、驚きました。
身体をどう動かせばいいのかは、ダンス経験からわかっていたりするものですか?

日髙:身体の動かし方がわかるというより、感覚的なものを掴めるかだと思います。
小さい頃からダンスにしても、身体を動かすことに対して苦手意識はあまりなかったような記憶があって、感覚を掴むのは結構早い方ではあったのかなと思います。

ではギターも結構早く弾けるように?

日髙:ギターは結構苦戦しましたね。

マネージャー:ギターは最初は根気というか…(笑)。

そう、最初の1ヶ月をどう乗り越えるかみたいな(笑)。

日髙:あの時は根気が2、3ヶ月頑張って続きました(笑)。
まだその時のギターを使っていて、フェンダーのサイクロンなんですが、個性的だけどストレートでまっすぐな音を出してくれます。

サイクロンは渋いチョイスですね!

日髙:サイクロンは森さんに譲っていただいたギターなんです。

マネージャー:森さんはサイクロンが好きすぎていっぱい持ってて(笑)、その中で1番合う感じのものを譲っていただいたそうです。

そのサイクロンは何色ですか?

日髙:クリーム色で、前は白かったのが色が変わって。

ちょっと色焼けしたやつ。あれがかっこいいんですよね。

日髙:あとは映画で使ったテレキャスターもありますが、持つたびに撮影の時のことを思い出します(笑)。

ミニアルバム『Dear diary』について。制作陣の方々はシングルと一緒ですか?

マネージャー:一緒ですね。ベースだけ海外にいる関係で、違う方になりますが。

アルバムは何曲入りですか?

日髙:「Round and Round」と新曲3曲で、4曲のミニアルバムになります。

どんなテーマやコンセプトで作られましたか?

日髙:今回のアルバムでは女の子が書く日記みたいな世界観を出したい、というのが最初にあったので、それに合わせて曲の雰囲気や歌詞を作っていきました。
音楽的には2000年代のような感じになっています。ワルツが歌いたくて作った曲もあったりします。
実はK-POPも大好きなんですが、あえてそっち路線には行ってないです。
ドラムもベースも生楽器にこだわりました。

今回、作曲はされましたか?

日髙:今回は作詞に集中したかったので、作曲は森さんにお願いをしました。
自分が作曲した曲も、いつか出せたらなって思ってます。

作詞は、曲に合わせて言葉が出てくるとか、どういう書き方でしたか?

日髙:何回も曲を聴いて思いついたワンフレーズから、パズルみたいに組み合わさっていく感じですね。
そのワンフレーズがどの位置に出てくるかはいつも違うんですけど、そうやって作っていくタイプなのかなと思います。

どの曲もアレンジは「Round and Round」のようにたくさんリクエストを出されましたか?

日髙:はい…たくさん(笑)。思い返してみると、こういう風にしたいという明確なものがすごく強かったです。
そのおかげでいいミニアルバムになったんじゃないかなって思ってます。

リリースしたらずっと残るものですもんね。ご自身のイメージ通りの音にはなりましたか?

日髙:はい。自分がやりたいことをちゃんと形にできたんじゃないかなと思ってます。

卒業式ぶりにその言葉を聞いて

リリースは12月1日ですね。同じ日にワンマンライブもありますが、お披露目のようなイベントになりますか?

日髙:そうですね。「Round and Round」と今回収録してる新曲3曲を含めて、披露する予定です。
それ以外にもカバー曲だったり、色々準備をしているので楽しみにしていてください。

かなり距離が近い会場だからこそ、楽しみなことはありますか?

日髙:以前『12月の雨の日』のリリースイベントで、ものすごく近い距離で歌を披露したことがあったんですけど、お1人お1人の表情がしっかり見えるし、多分最前の方もすごく緊張されていたのが伝わってきたのを覚えています。
今回はバンド編成と、1人じゃないので心強いのと、今まで応援してくださった方々の顔を、直接しっかり見てパフォーマンスできることをすごく楽しみにしています。

ライブ前は緊張される派ですか?

日髙:すごく緊張しますが、緊張しないといいパフォーマンスができない気がします。
『12月の雨の日』の時は2曲で、ステージに出て盛り上がる前に終わっちゃったので…2曲で終わらせるのって難しくないですか?

必死で歌って気づいたら終わってたみたいな…

日髙:そんな感じです。だから今回はもっと多くの曲をやって、ライブ自体を楽しめたらいいなって思います。
さくら学院時代は会場が大きくて、なかなかしっかりお顔を見ることが難しかったけど、今回はちゃんと見れるので。それが嬉しいです。

フリーになってから、ファンの方からはどんな反応がありましたか?

日髙:さくら学院を卒業した時に結構いただいていた言葉でもあったんですけど、“麻鈴ちゃんらしく自分のペースで活動していってほしい”っていう応援メッセージを、フリーになってからまたいただくようになって、何気ない言葉かもしれないけど、それがすごく嬉しかったと同時に、ちょっと安心したというか。
フリーになるというのは未知数だし、自由な分、先が見えないことがこれからたくさん待ってるって、結構焦ってはいたんですが、卒業式ぶりにその言葉を聞いて、すごく嬉しかったです。

皆さまは、さくら学院の頃から頑張っている姿を見て、ファンになっていると思うんです。なので、これからも変わらずに応援してくれるんじゃないかなって思っています。

日髙:そうだと嬉しいです。これからジャンル問わず、いろんなことに挑戦してみたいです。
それは音楽に限らず、表現の世界だけじゃないところからも学びを得ながら、経験をして、吸収をして、自由に活動をしていきたいなって思います。

 

インタビュー全編は『バディットマガジン電子ばん!』にて!

たっぷり語っていただいた
このインタビューですが、
実はもう少し続きがあります…!

サブスク電子マガジン、
『バディットマガジン電子ばん!』
にて、さくら学院について
語っていただいた内容を加え、
インタビュー全編を
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日髙麻鈴 Original 1st Mini Album『Dear diary』

『Dear diary』
2025/12/1 Release

1.Round and Round
2.Right Now
3.Waltz
4.Cosmic Love

All songs lyrics by Marin Hidaka
Composition,arrangement and Produced by Hirotaka Mori

Vocal and Chorus : Marin Hidaka
Guitar,Keyboards,Synthesizer and Manipulation : Hirotaka Mori
Bass : Simon Koperu-Miyamoto (M-1)
Bass : Ichiro Fujiya (M-2,3,4)
Drums,Triangle,Tambourine and Wind chime : Tsuyoshi Miyagawa

Recorded,Mixed and Mastered by Yohei Goto

Art Work : Marin Hidaka
Artist Management : Yuki Miyamoto

Special thanks to : Akiko Koperu-Miyamoto

 

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