SHAG 名盤1st『THE PROTEST JAM』がアナログレコード化!

SHAGとは

SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARS)
2000年代初頭、当時のクラブシーンに呼応するかたちで
実験的なジャムセッションを繰り広げていたのがSHAGの始まり。
その初期メンバーはベースで故ミック・カーン(JAPAN)、
ヴィブラフォン奏者のK-TaDJ BAKUという編成で
その後は現在のSHAGメンバーであるベーシスト
KenKen (RIZE、LIFE IS GROOVE)も参加。
当時はDJカルチャーとも親和性の高いフレキシブルな編成でした。
元々ジャズという音楽は目まぐるしいクロスオーバーしていくスタイルですが、
90年代以後のジャズシーンはとりわけヒップホップとの融合が顕著で、
しかもコンテンポラリーなものともどんどん融合していったので、
今ジャズと言われている音楽の最前線は
多くの人が抱く4ビートでコントラバスがベースラインを描くようなものとは全く別物です笑。
僕自身も何が今のジャズだかはもはやわかっていないのですが、
ロバート・グラスパーカマシ・ワシントンジュリアン・ラージ etc…といった
台頭しているヒーローは僕にとってはポップでロックな音楽でもあります
(もっともさらに世代交代しようとしていますが…近年の音楽シーンの流れは本当に速い!)。

サイケデリック・ジャムバンドとして再生!

SUGIZOが石川さゆりらとのコラボレーションを行った
怪物舞踏団で久々にKenKenと共演したことが契機となり、
コロナ禍の最中である2020年12月にSHAGは
サイケデリック・ジャムバンドとして再生することに。
SUGIZOが声をかけたメンバーが凄かった!

マイルス・デイヴィス、近藤等則らの
エレクトリック・トランペットの血筋を引いた類家心平(tp)
新時代のR&Bをセッション色たっぷりで巧みに具現化してみせる、
パジャマで海なんかいかない…通称パジャ海の鍵盤奏者・別所和洋(key)
SUGIZOのソロバンドでも活躍するパーカッショニスト よしうらけんじ(per)
さらにドラマーにはZ世代の注目株である松浦千昇(ds)
参加しているのもサプライズでした!

2020年12月に青山ブルーノートでステージデビューを飾った
SHAGを僕も生で目撃していますが、
エレクトリックス・マイルスの「ビッチェズ・ブリュー」を引用したり、
SUGIZOの合図で展開していくその様子がフランク・ザッパのようであったり…
PAがDUB MASTER Xということもあり
強烈なダブも織り交ぜられたジャズロック、ファンク、
ニューウェーブ、パンク、プログレッシブロック etc…
まさに音楽ジャンルを超越したセッションなのでした。

新生SHAGはSUGIZOソロ作品をモチーフにするところから発展していきました。
ソロデビューアルバム『TRUTH?』発表から、
自身の楽曲を常にアップデートし続けているのが
SUGIZOソロにおける独自のスタイルの一つなのですが、
SHAGではテーマメロディを引用しつつも
各自のソロパートインプロヴィゼーション
たっぷりと盛り込んで昇華していきます。

さらにSHAG以後、SUGIZOはいわゆるセミアコースティック
フルアコースティックタイプの箱ものギターを多用することが増えました。
ストラト系の透明感あるクリーントーンもSUGIZOのトレードマークですが、
それとはまた違った箱なりのトーンが
また新たなSUGIZOのトーンを切り開きつつあります。
さらにソロでは比較的4つ打ちでオーディエンスを
踊らせることをテーマにしていたものが多かったのですが、
SHAGもめちゃくちゃ踊れるけれどこの6人が
どこに向かっていくかっていう、ただそれだけの音楽とスピード感です。
考えるよりも先に音楽家としての手が動いているというそういう状態!

1stアルバムでさらなる進化へ

つまりはSHAGはその瞬間瞬間の音楽であるとも言えて、
とてもライブな音楽です。
2022年7月21日にリリースした1stアルバム『THE PROTEST JAM』
“このメンツがまさかのバンドを作った!”という話題性もあり、
第12回 JaZZ JAPAN AWARD 2022 ニュー・ジャズ部門の受賞作品になりました。

このアルバム、なんの予備知識もなく聴いたら
いわゆる通常のレコーディングスタジオのセッションを
収めたものかと思ってしまうのですが、
実は先述の青山ブルーノートであったり実は全てライブ現場で
レコーディングされた音源が元になっています。
そこに別現場のテイクが加味されたり、
一部オーバーダビングされたり…といった、
まさに今のレコーディングテクノロジーだからできることを
盛り込まれているのがポイントと言えます。
ただしその編集というアイデアはマイルス・デイヴィスにおける
テオ・マセロであったり、それこそフランク・ザッパだったりの
方法論をSUGIZOなりに構築したものでもあります。

『THE PROTEST JAM』がついにアナログ化!

この名作1stアルバム『THE PROTEST JAM』の
アナログレコード化はあり得るなとは個人的に思っていました。
しかも180g重量盤2枚組仕様
(ただし2枚目サイドDは収録なし…何かボーナストラック
入れてくれてもよかったのに笑…もっとも最初と最後を
「ANTI-WAR」でサンドイッチしたコンセプチュアルなアルバムなので、
単純に加味するっていうのも難しいのですが)、
音質にもこだわったものに当然なるでしょうし、
2024年2月21日にプレスされてお目見えします。

CDマスタリングも手がけたロンドン Finyl Tweek Studio
Shane the cutterが、本作のためにアナログカッティングを
行っているのも大きなポイントです。
アナログレコードのリリースを記念して、
2月18(日)に南青山MANDALAにてライヴ
「SHAG “THE PROTEST JAM” Vinyl Release Party」を開催することも決定。
ライブではすでに新曲を披露していたり、
インプロヴィゼーションによるセッションも十八番という人たちなので、
常にエスカレートしていくSHAGというバンド生命体が間違いなく堪能できます。
一緒にジャズロッククロスオーバーの最前線を体験してみませんか!?
(北村和孝)

 

リリース情報

SHAG『THE PROTEST JAM』
2024年2月21日(水)発売
生産限定アナログ盤/180グラム重量盤(2LP)
品番:LHMV-2008~2009
価格:¥7,000(税抜)/ ¥7,700(税込)
仕様:ダブルジャケット、4P解説(ライナーノーツ)
発売元:SEPHIROT / C-block
販売元:HAPPINET CORPORATION

【SIDE A】
01. ANTI-WAR I
02. THE CAGE
03. Initiation of Rebellion
【SIDE B】
01. FATIMA
02. Rebellmusik
【SIDE C】
01. Round Midnight
02. Jam in the Plandemic
03. ANTI-WAR II
※【SIDE D】に音源収録はございません。

SHAG “THE PROTEST JAM” Vinyl Release Party
公演日:2024年2月18(日)南青山MANDALA

■リリースイベント情報
2月24日(土) HMV BOOKS SHNSAIBASHI<サイン会>
2月25日(日)ヴィレッジヴァンガード 名古屋パルコ店<サイン会>
3月3日 (日) HMV record shop 渋谷<トークショー&サイン会>

※詳細後日発表、店舗へのお問い合わせはご遠慮下さい。

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